アンドレア・マルコンがスイス・バーゼルのピリオド楽器アンサンブル、ラ・チェトラを指揮したモーツァルトの序曲集<ドイツ・グラモフォン>に関しては、いずれCDレビューをアップするつもりでいるが、さすが劇場感覚に秀でたモーツァルトだけあって、序曲を聴いているだけでわくわくした気分になってくる。
いや、やっぱり序曲だけだと物足りないかな。
と、言うのも、マルコンはよい意味で煽る、メリハリのはっきりしたドラマティックな演奏を創り出しているので、序曲が終わると、つい次の曲目を聴きたくなってしまうのだ。
ダ・ポンテ三部作などは特にそう。
だから、『フィガロ』だったら、チンクエと、『ドン・ジョヴァンニ』だったらノッテジョルノと、『コシ』だったらラミアドラベッラとついつい口づさんでしまいたくなるほどだ。
そういえば、あまたあるオペラの中で、僕が本当に好きなオペラはモーツァルトのダ・ポンテ三部作だ。
(他は、リヒャルト・シュトラウスの『カプリッチョ』)
『フィガロ』は全曲、ドン・バジリオのアリアはもちろん、レチタティーヴォにいたるまでたまらなく好き。
でも、心がどうにも落ち着かなくなるのは、『ドン・ジョヴァンニ』かな。
中でも、第一幕のフィナーレで、いくつかの音楽がばらばらに演奏されるあのシーンは、本当にたまらない気分になる。
今手元にあるのはカラヤンのCDだが、できればもっと別の演奏で耳にしたい。
例えば、マルコンが指揮した演奏とか一度聴いてみたいものだ。