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『Re:』 session Ⅱ

☆GBGK PREMIUM STAGE リーディングドラマ『Re:』session Ⅱ

 作・演出:土田英生
 出演:生瀬勝久、高田聖子
(2012年10月8日、サンケイホールブリーゼ)


 この春、藤木直人とベッキー、竹中直人と中越典子、古田新太と宮沢りえ、生瀬勝久と仲間由紀恵という豪華な顔触れによって初演された、土田英生のリーディングドラマ『Re:』が再演されるというので、サンケイホールブリーゼまで行って来た。

 今回は、生瀬さんに高田聖子という関西人(じゃ、僕はないけど)にとってはとっても嬉しい組み合わせでの公演だったのだが、いやあ、至福のときというかなんというか、非常にぜいたくな時間を過ごすことができた。

 それは、1通の間違いメールから始まった。
 男優と女優が読み上げるメールで紡ぐ、特別な大人のためのラブストーリー。
 と、チラシの惹句にはあるから、ここまでは書いてもいいのかな。
 勘違いのメールをきっかけに、二人の男女が深く心を通い合わせていくのだけれど、物事はそんなに巧くも甘くも運ばなくて…。
 と、これ以上は書かない書けない。
 だって、こんなによく出来た本、これから先何度も何度も再演必至だから。
 未見の人の愉しみを奪っちゃダメだもんね。

 メールのやり取りだけで、一筋縄ではいかない人間模様を描くといえば、ちょうど10年ほど前に翻訳刊行された、マット・ボーモントの『e.』<小学館>という小説があって、これなんかそれこそリーディングドラマにぴったりなんじゃと思ったりもしていたんだけれど(ちなみに、オープニングの音楽は、ラモーの『アカントとセフィーズ』序曲の前半部分でお願いしたい)、笑いと涙のツボを押さえて人の心をぐぐっと掴むという点では、土田さんも全く負けていない。
 いや、作家としての心意気という意味も加えて考えるなら、身びいき抜きで、僕は土田さんに高く軍配を挙げる。
(そうそう、いつもながら、いろんな意味で土田さんは「フェア」な作家だなあと強く思ったのだった)

 ライヴ特有のちょっとした傷はありつつも、生瀬さん、高田さんともに本当に魅力的だったなあ。
 やるべきことをきっちりやりながら、さらりとして無理や無駄がない。
(高田さんはリーディングははじめてだそうだが、これをきっかけに今後もどしどしリーディングに取り組んでいって欲しい)

 あっという間ではあったのだけれど、それがとてもかけがえのない時間に思える作品であり、公演だった。
 ああ、面白かった!

 次はどんな組み合わせで観聴きすることができるのかな?
 それもまた実に愉しみだ。
by figarok492na | 2012-10-08 21:59 | 観劇記録
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