☆コントユニットぱらどっくす 第3回公演『悩みでかなら、やらいでか。』
書き手・導き手:左子光治
(2013年10月20日14時開演/東山青少年活動センター創造活動室)
今年の京都学生演劇祭で、やたけたながら心情あふれるコントを披歴していた左子光治率いるコントユニットぱらどっくすの第3回公演『悩みでかなら、やらいでか』を観た。
人を殺せない殺し屋の男、人を呪い殺したいが呪いが自分に返ってくるのが怖いひきこもりの女、人を食いたい大学生の男、世をはかなんで自殺願望のあるホームレスの男の四人が、ひょんなことからかち合って…。
まったくもって無茶無謀荒唐無稽、アナーキーでグロテスクな展開なんだけど、そこに左子君の知性や嗜好志向思考試行、頭の中と心の中の諸々がふんだんに盛り込まれており、それこそ「悩みでかなら、やらいでか」、やりたいことをやっている清々しさを感じた。
正直、鉛筆書きのデッサンというか、書きたいものやりたいものむきだしの見取り図という具合で、テキスト面でも演技面でも(もう一つ付け加えるなら制作面でも)、例えば客入れで流された高田渡の歌(選曲最高!)の如く、自然体だけど筋が通ったより精度の高い作品づくりを求めたくもあるのだが、単に精度だけにこだわってこじんまりとまとまってもややなあと思ったりもする。
まあ、左子君のことだから、その点大丈夫かな。
35はじめ、ウノキミアキ、ゆのきあいこ、野原啓佑が出演。
技術面のあれこれはひとまず置くとして、皆奮闘していたが、高田渡につながる35の軽味が印象に残った。
いずれにしても、コントユニットぱらどっくすの今後に期待していきたい。
そうそう、終演後、今回の公演のテーマ曲を歌ったNovelmanの谷澤ウッドストックのミニライヴが開催されたんだけど、客の扱い方の巧さも含めて懐かしい京都フォークの味わいがあり、とても愉しかった。
人気急上昇中というのもうなずける。
こちらも要注目だ。