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フォルテピアノによるヨハン・クリスティアン・バッハの6つのソナタ作品番号5

☆ヨハン・クリスティアン・バッハ:6つのソナタ作品番号5

 独奏:バート・ファン・オールト(フォルテピアノ)
(2013年2月、6月/デジタル・セッション録音)
<BRILLIANT>94634


 いわゆる大バッハ、ヨハン・セバスティアン・バッハの11男にあたるヨハン・クリスティアン・バッハは、バロックから古典派への橋渡し役の一人として、また幼い日のモーツァルトに少なからぬ影響を与えた人物として知られるが、鍵盤楽器のために作曲した6つのソナタ作品番号5(変ロ長調、ニ長調、ト長調、変ホ長調、ホ長調、ハ短調)も、そうした彼の性質がよく表われた作品となっている。
 まず第1番の第3楽章を聴けば、その飛び跳ねるような快活な音楽には、どうしてもモーツァルトを思い出さざるをえないだろう…。

 なあんて、小難しいことはいいか。
 ロマン派以降の深淵を穿って穿って穿ち過ぎて、という激しい感情表現とは無縁だけれど、明快な音楽の中にほんの僅かな翳りがあることも事実だし、第6番(唯一の短調)の第2楽章など、ヨハン・セバスティアンの色濃い影響がうかがえて実に興味深い。

 オールトは、作品の構造をうまくとらえつつ劇性に富んだ演奏を繰り広げていて、全く過不足ない。

 ヨハン・クリスティアン・バッハの音楽なんて聴いたことない、という方にも大いにお薦めしたい一枚だ。

 なお、オールトが弾いたヨハン・クリスティアン・バッハの6つのソナタ作品番号17が、まもなく同じレーベルからリリースされる。
 こちらも、非常に愉しみである。
by figarok492na | 2014-02-25 13:13 | CDレビュー
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