☆第21次笑の内閣『タカマニズム宣言』
作・演出:高間響
(2015年9月27日15時開演の回/吉田寮食堂)
高間響上皇を首班とする第21次笑の内閣は、『ゴーマニズム宣言』ならぬ『タカマニズム宣言』と銘打ったオムニバス時事コント集。
で、安保法案がらみでネット上を賑わせた『教えてヒゲの隊長』をもじって、京大当局と吉田寮との問題のあらましを総長とゴリラのやり取りで説明したアニメ『教えて髭の総長』(もちろん総長の声は、髭だるマン)に始まり、『実録 おまんこ闘争』(ろくでなし子さんの話。ご本人にも読んでもらったとのこと)、『殿下さん』…と続く、コントのラインナップを目にするだけで、まさしく高間響らしさ全開、笑の内閣ならではの公演に仕上がっていることがわかる。
ネタによっては途中で勢いが落ちてしまったり、笑いの仕掛けが小さかったりと、意図した以上に緩さや粗さを感じたものがありはしたものの、すとんとオチが決まった小気味よい作品や、どストレートにあやおかしさが爆発した作品もしっかりあって、やはり笑の内閣ファンには見逃せない内容になっていたと思う。
また、いわゆる下ネタも十分十二分に炸裂していたが、それが高間響という人の生き方信条と密接に結びついたものであることも、今回改めて痛感したりした。
ライヴ特有の傷や個々の長短はありつつも、ピンク地底人2号をはじめ、髭だるマン(一皮むけたような、堂に入った演技)、金原ぽち子、HIROFUMI、石田達拡、横山清正、由良真介、大牧ぽるん、楠海緒ら演者陣は、良い意味で無駄に贅沢というか、概して本篇に近い熱量の演技を繰り広げていたのではないか。
その意味で、いつもながらぽち子さんの一歩退いた、醒めた感じが印象に残った。
明日までの公演。
今現在に息苦しさを感じている方には、特にお薦めです。