☆ないすばでぃプロジェクト 演劇展示企画『当たり前の風景』
脚本とか:ピンク地底人5号
出演:浅田麻衣、木村駿平、島あや、畑迫有紀、ピンク地底人5号、峰桜花
(2015年11月28日20時半頃入場、22時過ぎ退場/a.room)
菅一馬とピンク地底人5号が主宰するユニット、ないすばでぃプロジェクトが演劇展示企画なる企画を開催するというので、足を運んだ。
場所は、大宮通を南に下って松原通を西に入った、壬生川松原の西北角にあるビルの3階・303。
(って、言葉だけではちょっとわかりにくいので、ないすばでぃプロジェクトのHPやtwitterをご確認のほど)
お客さんが座る木製の長椅子や、上演用の椅子、小道具類のほかは、これといって飾り立てられていない、まさしく展示用のギャラリー・ルームが会場となっている。
ちなみに、上演部分をぎゅぎゅっと凝縮した定時開演の回もあるんだけれど、こちらはあえて平場、というか平常展示のほうを選んだ。
で、場所の確認でお手数をかけたのち、会場へ入ると、演者陣がめいめい立ったり座ったり。
と、こちらの間合いをはかった感じで、一組目が10分ほどの掌篇作品を演じ始めた。
今夜拝見したのは、『サンタ目撃』(浅田さん、木村君。木村君、好漢なり)、『ハナが見る世界』(峰さん、5号君)、『橙色に揺れる』(島さん、畑迫さん、5号君)の三篇。
あえて詳しい内容には触れないけれど、『当たり前の風景』というタイトルそのままに日常の一コマを切り取り、ながら、そこに捻りと工夫が加えられているという展開。
滑稽さ、おかしさが盛り込まれていて、時折くすっとするが、逆に細やかな心の動きにはっとさせられるところもある。
強弱など、演者間の丁寧なやり取りも心掛けられていて、全篇好感を抱いた。
演者陣も、そうした作品世界に沿う努力を重ねていたのではないか。
身近な場所で拝見したこともあって、個々の特性や魅力がよく表われているように感じた。
上演のやり方や終わらせ方、繋ぎ等々、手さぐり状態の部分も大いに見受けられたが、それが面白くもあったし、それより何より、今後の演劇公演のあり方を考える上で非常に興味深い企画だとも思った。
これ見よがしでない絵画を愉しむような感覚で、ご都合よろしい方はぜひ!