「ほっ」と。キャンペーン
<< 春分の日 一人芝居を観た(CL... 世は三連休の第一日目(CLAC... >>

日本海の渦~第二渦~『しょーじしげるの尺八鮫』

☆日本海の渦~第二渦~「一人ぼっちの日本海 しょーじだけで大丈夫!?」
 『しょーじしげるの尺八鮫』

 原作:三遊亭はらしょう
 構成・演出・出演:勝二繁
(2016年3月20日20時開演/喫茶店uzuビバレッヂ)


 今や三遊亭圓丈の弟子であり、第三の落語家(古典でも新作でもなくドキュメンタリー落語の演じ手)として多方面に活躍する三遊亭はらしょうだが、かつてはハラダリャンの名で京都演劇界を大いにわかせていた。
 2002年の9月(21日、アトリエ劇研観劇)というから15年近くも前に、C.T.T.か何かで小品として発表され、2004年7月(4日、アトリエ劇研観劇)に一本の作品として上演された『尺八鮫』は、そうしたハラダリャンの一人芝居役者としての評価を高めた作品である。
 その『尺八鮫』を、ハラダリャンより直接薫陶を受けた勝二繁が、『しょーじしげるの尺八鮫』のタイトルのもと「一人ぼっちの日本海 しょーじだけで大丈夫!?」なる日本海の企画として演じるというので、迷わず足を運んだ。
 ちなみに、会場は日本海のホームグラウンドである壬生団地内の喫茶uzuビバレッヂ。
 今回もガラス張りの入口側を舞台に、併せて外の景色も効果的に使われていた。

 ただし、『尺八鮫』は『尺八鮫』でも、そこは「しょーじしげるの」と名付けるだけはある。
 終演後確認したのだけれど、今回ははらしょうから送られてきたメモを下敷きに、登場人物はそれに基づきながらも、ほぼ勝二が新たに書き改める形になったという。
 記憶を辿れば、オリジナルの『尺八鮫』が太平洋戦争下の沖縄戦を直接描いているのに対し、勝二は沖縄出身の登場人物たちはそのままに、時代を現代へと移し変えており、そこにも彼の切実な想い、明確な意図が表されているように僕には感じられた。
 男のナニをナニする「尺八」鮫(初演の際、この作品を観た演劇関係の女子高生に「尺八ってなんですか?」と尋ねられ、答えに苦しんだことを思い出す)という設定からして下ネタで、もちろんそれが今夜も笑いに繋がっていたのだけれど、勝二は自分の特性がハラダリャン(はらしょう)のそれとは全く違うことを引き受けた上で、シリアスな含意と感情表現を前面に押し出していたように思う。
 中でも、終盤の痛切さは、強く印象に残った。
 ところどころ粗さや危うさは感じたが、勝二繁の演劇との向き合い方、ばかりではなく社会との向き合い方を識る上でも観ておいてよかったと思える公演だった。

 ああ、面白かった!
[PR]
by figarok492na | 2016-03-20 23:00 | 観劇記録
<< 春分の日 一人芝居を観た(CL... 世は三連休の第一日目(CLAC... >>