☆ベートーヴェン:交響曲第1番、第2番
デヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団
<ARTE NOVA>74321 63645 2
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮バーゼル室内管弦楽団が演奏した同じ曲目のSACDとの比較もあって、昨日(11月17日)は、ジンマンとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団のコンビによるベートーヴェン・シリーズ中の1枚であるこのCDを繰り返し聴いた。
このジンマン盤も、アントニーニ盤と同じくピリオド奏法を援用した演奏ではあるが、受ける印象は大きく異なっている。
例えば、ともに速いテンポをとってはいるものの、アントニーニ盤が若干ざらっとした音の感じがする*のに対し、ジンマン盤では表面的に滑らかというか、非常に整えられた音色という感じが強い。
(*それは、ガット弦やピリオド楽器を使用していることも大きな原因の一つだろうが)
また、オーケストラの機能性という面では、ジンマンとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団のほうに軍配を挙げることができるのではないだろうか。
個人的には、アントニーニとバーゼル室内管弦楽団のエネルギッシュでドラマティックな演奏にも大きな魅力を感じるが、「ながら聴き」には、ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団のCDのほうがよりあっているような気がしないでもない。
値段も非常に手頃だし、多くの方にお薦めできる一枚だ。