☆ベートーヴェン:序曲集
ダニエル・ハーディング指揮ドイツ・カンマーフィル・ブレーメン
<Virgin>VC5 45364 2
『エグモント』や『コリオラン』、『レオノーレ』第3番や『フィデリオ』といった、ベートーヴェンが作曲した8つの序曲を集めたCDである。
ダニエル・ハーディングは、サイモン・ラトルの愛弟子としても知られるイギリスの俊鋭指揮者だが、この録音でも、彼の才気は遺憾なく発揮されている。
ハーディングは、ピリオド奏法を援用しつつ、速いテンポで見通しのよいクリアな音楽を全編にわたって創り上げているのだ。
(それが、時に一本調子に聴こえてしまう部分もなくはないのだけれど)
ドイツ・カンマーフィルの演奏も、高水準を維持していて、全く危なげがない。
個々の作品に「含み」を求める人には、少し物足りなさは残るかもしれないが、聴いてもやもやとしない、爽快感にあふれたCDであることに間違いはないと、僕は思う。
若々しいベートーヴェンを聴きたいという人には、大推薦。