☆シベリウス:交響曲第2番、交響詩『フィンランディア』
ヨエル・レヴィ指揮クリーヴランド管弦楽団
<TELARC>CD−80095
急に寒くなったこともあってか、北欧の音楽を聴きたくなり、シベリウスのCDを選ぶことにした。
ただし、このCDに収められた二つの作品は、北欧フィンランドの身も凍るような情景を巧みに表現した音楽と評するよりも、彼の地に住む人々のたぎるような想いがそのまま表れた音楽と評したほうが適確であろうが。
本当は、本場のオーケストラかイギリスのオーケストラによる演奏で聴きたかったのだけれど、あいにく手元にあるのは、ヨエル・レヴィ指揮クリーヴランド管弦楽団のCDだけだった。
まあ、しっりとしてどこかくすんだ、いわゆる北欧的な情感とはほど遠い、クリーヴランド管弦楽団の高い力量が前面に押し出された演奏で、それはそれで安心して聴いていることはできる。
(たぶん、こういう解釈が通用するのは、第2番の交響曲までだと思う。あとの交響曲では、騒々しいとまでは言わないものの、うっとうしく感じられるはずだから)
『フィンランディア』も、映画の『ダイハード』シリーズを彷佛とさせる爽快な演奏で、この曲にまつわる様々なエピソード(例えば、フィンランド第2の国歌といった)を気にしなければ、非常に聴き心地がよい。
また、20年以上前の録音でありながら、音楽を楽しむという意味では、ほとんど問題がない。
(さすがは、録音技術に秀でたテラーク・レーベルだけあると感心する)
特に、学生オーケストラやアマチュア・オーケストラ関係の方にはお薦めのCDである。