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一日一枚 78:プロメテウスの創造物

 ☆ベートーヴェン:バレエ音楽『プロメテウスの創造物』全曲
  オルフェウス室内管弦楽団
  <DG/ドイツ・グラモフォン>419 608−2

 ベートーヴェンのバレエ音楽『プロメテウスの創造物』全曲のCDを聴く。
 『プロメテウスの創造物』といえば、序曲ばかりが有名だけれど、こうやって全曲を聴いてみると、まあそれもむべなるかなという思いが半分、いやいや少なくともCDならばもっと聴かれてもいいんじゃないかという思いが半分、といったところだろうか。
 作品番号は43番だが、作曲されたのは1800年から1801年にかけてだから、ベートーヴェンにとっては、交響曲第1番を書き上げて、次の第2番にとりかかる、ちょうどその中間の時期にあたるということになる。
 基本的には、古典派のバレエ音楽の枠形を守った作曲が為されているが、音楽の展開(リズムのとり方など)や楽器の鳴らし方などで、後々の交響曲を予感させる部分が随所に聴かれたりする。
 特に終曲は、交響曲第3番「英雄」の終楽章にも使用された「あの旋律」で、この旋律がああいう風に「変化」してしまうのか、という面白さを感じることができた。
 オルフェウス室内管弦楽団は、いわゆるピリオド奏法とは異なるものの、アンサンブルとしてのまとまりがよく、また個々の奏者の技量も高いので、作品を識るという意味では、あまり不満がない。
 中古で、税込み1000円程度までなら、お薦めである。

 なお、現在手元にはないが、『プロメテウスの創造物』全曲のピリオド楽器オーケストラによる演奏としては、フランス・ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラによるCDがフィリップス・レーベルから発売されている(いた?)。
 また、デヴィッド・ジンマンとチューリヒ・トーンハレ管弦楽団のコンビによる録音も期待したいところだ。
by figarok492na | 2006-02-14 13:37 | 一日一枚
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