人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< 一日一枚 122:シュトラウス... 一日一枚 120:シューマンの春 >>

一日一枚 121:ブラームスの歌曲集

 ☆ブラームス:歌曲集
  ロマン・トレケル(バリトン)
  オリヴァー・ポール(ピアノ)
  <ARTE NOVA>74321 87069 2

 都に雨の降るごとく、我が心にも。
 いやや、涙なんて降らないって。
 てか、魯迅じゃないけれど、『花なきバラ』なんて書いて、そよよそよよと涙を流してる状況じゃない。
 泣くぐらいなら、フランスの学生を見習ってさっさと立ち上がれ!

 とは言うものの、雨の降っている日には、なぜだかしっとりしとしととした音楽が聴きたくなってしまう。
 で、ブラームスの歌曲集のCDを聴くことにした。
 ううん、やっぱり雨の日にはこれしかない。
 と、断言すれば、牽強付会に過ぎる、のそしりをまぬかれないだろうが、少なくとも情緒纏綿(じょうしょてんめん、って言うんだよね、こういう場合は確か)と綴られている歌曲の数々は、雨でどこか沈んだ心にすすっと滲み渡る。
 しかも、トレケルの歌が、そんなブラームスの音楽にぴったり。
 ゲルハーエルみたく暖かい声質の持ち主なのだけれど、さらに情感たっぷり、切々とした調子で歌い上げているのだから、何も言うことはない。
 ただし、シューベルトでこの歌い口だと、ちと臭いかもしれないが。

 いずれにしても、声楽好きの方、ブラームス好きの方には、お薦めの一枚だ。
(からっと晴れ上がった日に聴くと、ちょっとえっと感じるかも…)
by figarok492na | 2006-04-02 12:52 | 一日一枚
<< 一日一枚 122:シュトラウス... 一日一枚 120:シューマンの春 >>