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一日一枚 129:グレアムの歌うモーツァルトとグルック

 ☆グルック、モーツァルト:オペラ・アリア集
  スーザン・グレアム(メゾ・ソプラノ)
  ハリー・ビケット指揮エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団
  <ERATO>8573−85768−2

 グルックとモーツァルトのオペラ・アリア集のCDを聴く。

 未だ完全にはバロック時代の形式を脱し切れないものの、それでもオペラの改革を目指したグルックと、そうした改革派の流れをくみながら、さらなる地点に飛翔したモーツァルトの「共通性」と「差異」を識ることのできる録音である。

 といった、能書をたれる必要はないな。

 有名な『フィガロの結婚』の「恋とはどんなものかしら」をはじめ、モーツァルトとグルックの手になるオペラのアリアの数々をたっぷり愉しむことができるCDで、時に勇壮に、時にリリカルに、時に軽快にと、ヴァラエティに富んだ選曲もあって、約一時間、聴き飽きることがない。
 スーザン・グレアムは厚みがあって暖色系の声質で、個人的には、例えばマグダレーナ・コジェナーのような透明感の強い声質の歌い手のほうがより好みではあるのだけれど、くだくだと繰り言を重ねる必要のない歌唱を行なっていることもまた確かである。
 特に、グルックの抒情的なアリアでは、彼女の美質が発揮されているのではないだろうか。
 ビケットとピリオド楽器オーケストラによる伴奏も万全で、オペラ好き、声楽好き、古典派好きには、なべてお薦めしたい一枚だ。
by figarok492na | 2006-04-10 13:14 | 一日一枚
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