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一日一枚 166:ピリオド楽器による『ます』

 ☆シューベルト:ピアノ5重奏曲「ます」、アルペジオーネ・ソナタ、ノットゥルノ
  ジョス・ファン・インマゼール(フォルテピアノ)
  ラルキブデッリ
  <SONY>SK63361

 前回に引き続き、ピリオド楽器のアンサンブルによるシューベルトの室内楽曲のCDを聴く。
 今回のメインは、おなじみピアノ5重奏曲の「ます」(第4楽章の変奏曲の主題に、歌曲『ます』の旋律が引用されていることから、この愛称がついている)で、演奏は、フォルテピアノのジョス・ファン・インマゼールとラルキブデッリによるものである。
 で、これはもう、躍動感にあふれた、それこそ、ますがぱちぴちぱちぴちと飛び跳ねているような、活きのいい演奏と呼ぶ他ない。
 音楽の流れに身をゆだねているうちに、全曲が終わってしまうのだ。
 ジョス・ファン・インマゼールのフォルテピアノは機智に富んでいるし、ラルキブデッリのアンサンブルも、弦楽5重奏曲に比べるとさらに流麗で練れていて、ピリオド楽器演奏のみならず、全ての「ます」の録音の中でも、屈指の演奏だと僕は思う。
 そして、カップリングの2曲も魅力充分の演奏だ。
 アルペジオーネ・ソナタは、アンナー・ビルスマのチェロ・ピッコロとインマゼールによるものだが、以前とり上げた鈴木秀美と小島芳子のペアに比べると、楽器のせいもあってか幾分渋めの感じがする。
 また、ノットゥルノは、インマゼールとヴァイオリンのヴェラ・ベス、ビルスマによる演奏だが、シューベルトの音楽の持つ穏やかさや抒情性とともに、力強さ、堂々とした表情がよく表現されているのではないだろうか。
 いずれにしても、聴き心地満点の優れた一枚で、多くの方にお薦めしたい。
 大推薦。
by figarok492na | 2006-05-19 13:24 | 一日一枚
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