☆ブラームス:ピアノ5重奏曲、弦楽4重奏曲第2番
エリソ・ヴィルサラーゼ(ピアノ)
ボロディン・カルテット
<TELDEC>4509−97461−2
前回に引き続いて、ボロディン・カルテットが演奏したブラームスの室内楽曲のCDを聴く。
今回のCDには、弦楽4重奏曲第2番とともに、エリソ・ヴィルサラーゼをゲストに迎えた、ピアノ5重奏曲も収められている。
ううにょおにょにょにょにょにょにょおにょにょ、といった感じで始まるピアノ5重奏曲を初めて聴いた時は、何だこの陰々滅々とした音楽はとびっくりしたものだが、最近では、「またまたブラームスやってらあね」と味わいながら聴くことができるようになった。
で、はっきり言って、ヴィルサラーゼとボロディン・カルテットの演奏には、ぴかぴかてかてかと光り輝くような華はない。
だが、くすみにくすんでいるからこそ浮き上がってくる、黒光りのような輝きをこの演奏が持っていることも、また確かである。
弦楽4重奏曲第2番ともども、音楽を聴いて爽快感を得ようという向きには全くお薦めできないが、音楽を聴いて沈思黙考したい、マルコヴィチの穴、ならぬ自分自身の穴の中に没入したい方には、大いにお薦めしたい一枚だ。