☆モーツァルト:ピアノ協奏曲第15番、第26番「戴冠式」
ロバート・レヴィン(フォルテピアノ)
クリストファー・ホグウッド指揮アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック
<L'OISEAU-LYRE>455 814−2
前回に続いて、ロバート・レヴィンとクリストファー・ホグウッド指揮アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックによる、モーツァルトのピアノ協奏曲のCDを聴く。
今回のCDには、第15番と第26番「戴冠式」が収められている。
第15番は、後期の作品ほどの「深み」はないかもしれないが、管楽器の使い方が巧みで、独奏部にもあれこれ仕掛けの施された作品である。
特に、チャーミングな出だしにはほれぼれするほどだ。
一方、第26番の「戴冠式」は、後期の作品中ではあまり評価の高くない曲で、確かに、「わかりやすさ」が全面に押し出されすぎているきらいがないでもないが、その分、聴き心地のよい作品に仕上がっているとも言えるだろう。
レヴィンはここでも即興性にあふれた演奏で、作品の持つ魅力をしっかり描き分けていると思う。
また、ホグウッドとアカデミー・オブ・エンシェント・ミュージックの伴奏も安定しており、基本的に不満はない。
ピリオド楽器によるモーツァルトのピアノ協奏曲演奏のスタンダードとして、安心してお薦めできる一枚だ。
(なお、最後にピアノ協奏曲第15番の第2楽章アンダンテの初稿が収められており、アンコールとして愉しむことができる)