☆ブラームス:交響曲第1番、悲歌
ベルナルト・ハイティンク指揮ボストン交響楽団他
<PHILIPS>442 799−2
今回は、ベルナルト・ハイティンク指揮ボストン交響楽団他の演奏による、ブラームスの交響曲第1番と『悲歌』(シラーの詩による)のCDを聴く。
ブラームスの交響曲第1番は、彼の渾身の力作であり、あまたある交響曲のうちで繰り返し演奏され続けている、有名曲中の有名曲である。
ただ、その第1楽章などには、
>ババンバ、ベベンベ、ドドンド、ズズンズという、百貫デブがおどけているようなリズムの不愉快なこと。プワーープワーー、プワープワープワープワーと金管楽器がこれみよがしに吹くところにも呆れてしまう<
と、許光俊が『クラシックCD名盤バトル』<洋泉社新書y>で指摘しているような、「悪趣味」な部分があることも事実であって、残念ながらこのCDの演奏は、ハイティンクの解釈が「真摯」であるだけに、余計にこうした部分を強調してしまう結果になっている。
(てか、正直言って重たるすぎるのだ)
この曲の持つ抒情性もしっかり表されていて、ボストン交響楽団も達者なので、実演では感動すること間違いなしだろうし、CDでもその「立派」さはわからないでもないのだが…。
タングルウッド・フェスティヴァル合唱団の合唱は少々心もとないものの、より耳にしやすいのは、カップリングの『悲歌』のほうかもしれない。