☆ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲、交響曲第1番
ニコラウス・アーノンクール指揮ベルリン・フィル
<TELDEC>0630−13136−2から
今回も、ニコラウス・アーノンクール指揮ベルリン・フィルの演奏による、ブラームスの交響曲を聴く。
ラストは、第1番のシンフォニーとハイドンの主題による変奏曲が収められた一枚だ。
中学、高校と、クラシック音楽を聴き始めた頃は、この交響曲第1番のエネルギッシュでドラマティックな音楽を何度も何度も繰り返して聴いては興奮していたものだが、いつの頃からか、そのエネルギッシュさやドラマティックさが暑苦しく感じられるようになってきた。
(実演ならばまだしも、CDではなおさらのこと)
それでも、たまにこうやって耳にすると、特に、第4楽章の暗から明に変わる場面での、ホルンの響きなどには、ああ聴いてみてよかったなあ、と思うことも事実である。
アーノンクールは、マクロとミクロ両面から考えに考え抜いた解釈で、この交響曲の持つ多様な側面をよく描き出している。
これは全集そのものについて言えることだが、ベルリン・フィルの演奏自体も、充実安定していて、全く不満がない。
カップリングのハイドンの主題による変奏曲も、交響曲と同様に練りに練られた演奏であり、こちらも聴きものだと思う。
機会があれば、ぜひともご一聴いただきたい。