人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< おめでとう!(CLACLA日記) 一日一枚 299:ボニーの歌う... >>

一日一枚 300:プティボンのフレンチ・タッチ

 ☆フレンチ・タッチ
  パトリシア・プティボン(ソプラノ)
  イヴ・アベル指揮リヨン国立歌劇場管弦楽団他
  <DECCA>475 090−2

 一日一枚も、回を重ねてついに300回目。
 と、言うことで、今回はその記念に、愛聴盤中の愛聴盤、フランス出身のソプラノ歌手パトリシア・プティボンが歌う、『フレンチ・タッチ』(フランスの作曲家が作曲したオペラ・コミック、オペレッタのアリアや歌曲を集めたアルバム)を聴くことにする。
 パトリシア・プティボンは、かつてはウィリアム・クリスティ、最近ではニコラウス・アーノンクールといった指揮者と、バロック期や古典派の作品を数多く録音しており、どちらかと言えば「ピリオド畑」の歌手という印象が強いのだけれど、この『フレンチ・タッチ』では、そんな彼女のイメージを裏切る、はじけにはじけまくった、ポップで愉しく美しい歌の数々を披露している。
 例えば、トラック4の「花の二重唱」(ドリーブの『ラクメ』から)やトラック11の「舟唄」(オッフェンバックの『ホフマン物語』から)のように、しっとりとして官能的な歌唱もお手のものだし、トラック5の「鐘の歌」(『ラクメ』から)やトラック8の「私が女王様のように街を歩けば」(マスネの『マノン』から)、トラック9のマスネの『シンデレラ』のアリアのように、コロラチューラの名技を駆使すべきアリアや、伸びやかな歌声が必要とされるべきアリアでも、プティボンの特性美質を堪能することができる。
 が、何と言っても、このアルバムの最大の聴きものは、トラック10の『ホフマン物語』のオリンピアのアリアと、トラック13以降の3曲(この3曲は、フレンチポップそのものだ)における、はしゃぎっぷりこわれっぷりいかれっぷりではないか。
 少なくとも、4つのトラックを聴くためだけに『フレンチ・タッチ』を買っても、僕は損はないと思う。
 イヴ・アベル指揮リヨン国立歌劇場管弦楽団と合唱団のバックもなかなか見事で、その点でも不満はない。
 歌好き、ばかりでなく、ひろく音楽好きにお薦めしたい、とびっきりの一枚だ。
 大大大推薦!!!
(このCD、結局国内盤は出なかったんだよなあ。デッカ・レーベルの担当者は何を考えてるんだろうなあ)
by figarok492na | 2006-10-09 13:25 | 一日一枚
<< おめでとう!(CLACLA日記) 一日一枚 299:ボニーの歌う... >>