☆ベートーヴェン:交響曲第7番、第8番
ニコラウス・アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
<TELDEC>2292−46452−2(5枚組全集)から
ニコラウス・アーノンクールとヨーロッパ室内管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲全集から、今回は、第7番と第8番を聴く。
前回の第5番と第6番の2曲が、パターンにおいて「そっくりさん」だったとすれば、今回の2曲は、リズムを作品の軸に持ってきたという点で「そっくりさん」である。
で、第7番が血沸き肉踊る面白い音楽であることは、最近ドラマ化された『のだめカンタービレ』を観ても明らかだと思うのだけれど、このアーノンクールとヨーロッパ室内管弦楽団の録音では、第8番のほうも相当「えらいこと」になっている。
まずは、第1楽章の攻撃的な雰囲気に驚かされるし、第2楽章以降のリズムのとらえ方、フレーズの処理の仕方など、いずれをとっても刺激的で新鮮だ。
(加えて、第3楽章中間部における、ホルンをはじめとした管楽器陣の活躍も印象に残る)
もちろん、第7番もとびきりの演奏であり、「リズムの神化」(リストの言葉)、「舞踏の聖化」(こちらは、ワーグナーの言葉)を愉しむことができる。
多くの方々に、ぜひともお聴きいただきたい演奏だ。