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一日一枚 365:カプリッチョ

 ☆リヒャルト・シュトラウス:歌劇『カプリッチョ』
  カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団他
  <DG/ドイツ・グラモフォン・レーベル>POCG−2669〜70/国内盤

 今回は、カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団他の演奏による、リヒャルト・シュトラウスの歌劇『カプリッチョ』のCDを聴く。
(なお、このCDは、10年以上も前にひょんなことから購入したものなのだけれど、今では僕の愛聴盤中の愛聴盤になっている)

 『カプリッチョ』は、リヒャルト・シュトラウスが作曲した最後の歌劇*で、「音か言葉か」という命題が、登場人物たちの「葛藤」を通してメタシアターよろしく描き込まれた、実に通向きな内容の作品である。
 ただ、一方で、弦楽6重奏の序奏や「月の光の音楽」をはじめとして、リヒャルト・シュトラウスお得意の、時に官能的ですらある美しい旋律に満ちあふれた音楽でもあり、こ難しい理屈にばかりとらわれなければ、充分愉しむことのできる作品だとも思う。
(*この『カプリッチョ』が、第2次大戦中に作曲された作品であること、言い換えれば、ナチス政権下でこのような逃避的な作品が作曲されたことには、やはり留意しておかなければなるまい)
 カール・ベーム指揮バイエルン放送交響楽団は、音を粘つかせることのない見通しのよい演奏を行っていて好感が持てるし、グンドゥラ・ヤノヴィッツ、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、ペーター・シュライヤー、ヘルマン・プライ、タティアナ・トロヤノス、カール・リーダーブッシュら独唱陣も、作品とベームの解釈によく添った優れた歌唱を披露しているのではないだろうか?
 多くの音楽好きにお薦めしたい、大推薦の一枚だ。

 ところで、「一日一枚」は、ちょうど365回目を迎えた今回で、終わりにしたいと思います。
 来年からは、別の形であれこれと記事をアップしていこうと考えておりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。
 それでは、皆さんよいお年を!
by figarok492na | 2006-12-31 21:15 | 一日一枚
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