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前進前進、また前進!(CDレビュー)

 ☆安部幸明:交響曲第1番、ディヴェルティメント、シンフォニエッタ
  ドミトリ・ヤブロンスキー指揮ロシア・フィル
  アレクセイ・ヴォルコフ(アルト・サキソフォーン)
  <NAXOS>8.557987J

 ナクソス・レーベルが進める日本作曲家選輯の最新盤、安部幸明の管弦楽作品集のCDを聴いた。

 惜しくも昨年末に亡くなった安部幸明は、日本における「ソヴィエト楽派」を代表する作曲家の一人なのだけれど、彼の人となりについては、片山杜秀の懇切丁寧な解説を参照いただければ充分だと思う。
 このCDには、交響曲第1番、アルト・サキソフォーンとオーケストラのためのディヴェルティメント、シンフォニエッタの3曲が収められているが、特に交響曲とシンフォニエッタの「前進前進、また前進!」ぶりには、どうにも心が動かされてしまう。
 まさしく快活活発と呼ぶ他ない音楽だからだ。
(なお、シンフォニエッタの第1楽章には、ストラヴィンスキーの『花火』の影響が強く感じられる)
 一方、ディヴェルティメントはその名のとおり、聴き心地のよい聴いていて実に愉しい作品に仕上がっている。
 ドミトリ・ヤブロンスキー指揮ロシア・フィルは、いささかたがの外れた感の強い演奏で、できればもう何ランクか上のオーケストラによる録音ならばと思わなくもないのだが、まあ、こうして安部幸明の作品を気軽に愉しめるという点だけで、よしとすべきだろう。

 多くの方にお薦めしたい一枚。
 必聴!
by figarok492na | 2007-03-03 12:59 | クラシック音楽
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