☆国歌集第2巻(CからFの国)
ペーター・ブレイナー指揮ブラティスラヴァ・スロヴァキア放送交響楽団
1996年録音
<MARCO POLO>8.223387
先日購入した、ペーター・ブレイナー指揮ブラティスラヴァ・スロヴァキア放送交響楽団の演奏による、世界の国歌集のCDを聴く。
(このCDは、全6巻からなる世界の国歌集のうちの2巻目で、CからFの国+αの、国歌等が収められている*)
まあ、正直言って「マニアック」の一語に尽きるかな。
当然お国柄の違いによって、軍楽調の勇ましいものもあれば、民謡調のなだらかで美しいものもあるけれど、基本は国歌な訳で、要するに長調で陽性で明るい音楽のオンパレードである。
(その分、どこかの国のそれがどれだけ「異質」なものかがよくわかる)
確かに、「へえ、エチオピアの国歌ってこんなんだったんだ」とか、「おや、キプロスの国歌って結構やさしめなんやあ」とか、「ほお、フィンランドとエストニアの国歌って同じ旋律なんだねえ」といった驚きがあるとはいえ、それ以上でもそれ以下でもないと思う。
かつてビートルズをバロック調に編曲して「名を為した」ペーター・ブレイナーのオーケストレーションだけに、各曲ともそつはないし、ブラティスラヴァ・スロヴァキア放送交響楽団の演奏も概ね不満はないが、ヨーロッパ連合の連合歌(?)=おなじみベートーヴェン「第9」の有名な旋律、や『ラ・マルセイエーズ』あたりになると、若干ボロが出ている気もしないではなかった。
ブックオフで中古CDを税込み250円で購入したので、個人的にはめっけもののひろいものと大喜びしてはいるものの、本当に「こういうもの」がお好きな方以外にはあえてお薦めしない。
(税込み250円だったら別だけど)
なお、国歌について「まじめ」に考えたいのならば、上尾信也の『音楽のヨーロッパ史』<講談社現代新書>のうち、「国歌と国家」の章をご参照のほど。
*このシリーズでは、国家の国歌の他に、上述のヨーロッパ連合や独立性の強い地域の歌が収められている他、各国歌にロングバージョンとショートバージョンがある場合、その両方ともが収められている。
まさに、いたれりつくせりの企画である。