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プライの冬の旅(CDレビュー)

 ☆シューベルト:冬の旅
  ヘルマン・プライ(バリトン)
  ヴォルフガング・サヴァリッシュ(ピアノ)
  1971年録音
  <PHILIPS>422 242−2

 昨日購入した、ヘルマン・プライの歌うシューベルトの『冬の旅』を聴く。

 何を好き好んで、この暑いさかりに『冬の旅』か。
 などと厳しく問うことなかれ。
 そりゃ、名曲堂阪急東通店で税込み380円で売っていたんだもの、多少の傷など構うものか、ましてや季節の違いなどなんのその、と思わず買ってしまったのも無理のない話だろう。

 で、このCD、情に棹さした『冬の旅』とでも評することができるのではないか。
(もちろん、ロマン派丸出しの歌いくずし弾きくずしがある訳ではないけれど)
 フィッシャー=ディースカウらに比べると、テキストの鋭い読み込みには劣るものの、実に歌の流れ、音楽の流れが自然で、プライの少し鼻にかかった美声とあいまって、暖かみと良い意味でのウェットさを強く感じる『冬の旅』が生み出されている。
 また、サヴァリッシュの伴奏も丹念で、プライの音楽性によく添っていると思う。

 やっぱり380円ではもったいない。
 税込み1200円程度までなら、躊躇なくお薦めできる一枚だ。
by figarok492na | 2007-06-07 12:30 | クラシック音楽
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