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ヤマコジ朗読実験室round2 〜オトナのためのお伽噺〜

 東山青少年活動センターまで、『ヤマコジ朗読実験室round2 〜オトナのためのお伽噺〜』を観(聴き)に行って来た。

 で。今回はコジマキョウコさんとヤマガタユミ(山方由実)さんの朗読に加え、前半ではダンスの大快和子さん、金乃梨子さん、福井幸代さんとのコラボレーションも試みられていたが、個人的には休憩を挟んだ後半、コジマさんと山方さんの二人のみによる恩田陸の『オデュッセイア』のほうがしっくりときた。
 なぜなら、朗読という行為そのものの魅力がストレートに表れていたように思われたからだ。
 ただし、白石加代子ばりの字義通り劇的な朗読を期待する人たちにとって、二人の朗読はいささか物足りなさを感じさせるものだったかもしれない。
 けれど、適切なテンポ、明瞭な発音、正確なイントネーションといった朗読の基本を守ろうという意志がはっきりと示されていた点には好感を持ったし、それより何より、二人の朗読が「音楽的」というか、僕にとって聴き心地のよいものであったことも事実である。
(その意味で、テキストの選択も悪くなかった)
 もちろん、ライヴゆえの傷はまま見受け(聴き受け)られたし、テキストの読み込み方として基本に忠実過ぎるように感じられた部分も少なからずあったが、それらを含めた技術面の問題・課題に関しては、コジマさんや山方さん自身充分に了解していることだろうから、今後さらにこうした朗読公演を重ねて、精度を上げていってもらえればと考える。

 一方、前半の岸田今日子の『あしあと』とサン・テグジュペリの『星の王子さま』(から)は、ダンスとのコラボ以外にも、テキストの切り取り方など実験的及び演劇的要素の強いもので、演者陣のやりたかったこと伝えようとしたことは理解できたし、実際『星の王子さま』の終盤など印象に残ったのだけれど、意識・意志と現実に舞台の上で表現されたこととの齟齬の大きさを感じてしまったこともやはり否めない。
 特に、ダンスの面々には、フォルム優先でいくのであればもっと精度を上げなければならないだろうし、それが無理なのであれば、踊り手自身の内面や肉体にもっと添ったダンスを行っていかなればならないのではないかと思った。
 また、聴覚的にも視覚的にも、夾雑物が多かったように僕には感じられた。

 なお、休憩中紅茶のサービスがあって、ちょうど喉が乾いていた時だったのでとても嬉しかったのだけれど、ポットのお湯があまりにも熱過ぎて、全部飲みきれなかったのはなんとももったいなかった。

 それと、開場の時に配られたRICOさんのクッキーは家に帰ってから食べたが、これは実に美味しかった。
 クローバーの形をした抹茶テイスト、星の形をした紅茶テイスト、スライスしたナッツの入ったチョコレートの3種類で、優しくて上品な味わいともども、今回の公演の雰囲気にぴったりだったのではないか。
 このクッキーは、ぜひまた食べてみたい。
by figarok492na | 2008-09-28 21:30 | 観劇記録
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