☆ケルンWDR交響楽団定期演奏会
指揮:ネーメ・ヤルヴィ
会場:ケルン・フィルハーモニー
ケルンWDR交響楽団の定期演奏会をシュテー(立ち見)で購入し、いつもの如く前方の席に移動して聴く。
ヤマハの寺田さんとお会いし、いろいろとうかがう。
さて、コンサートのほう。
指揮は、エストニア出身でエーテボリ交響楽団やロイヤル・スコティシュ・ナショナル管弦楽団とのCD録音で一躍有名になったネーメ・ヤルヴィ。
出て来たときには、「ジリノフスキーの登場か?」*1と思った。
と、これは冗談。
プログラムは、前半がリヒャルト・シュトラウスで、後半がベートーヴェンの7番のシンフォニー。
第一曲目は、祝典前奏曲。
オルガン独奏に加え、客席側後方にトランペット群を置いた壮麗華美な作品。
リヒャルト・シュトラウスのオーケストレーションの巧みさを示す一曲だし、WDRのオケもよく鳴っていたが、なんだか早書きというか、手際のよさが目立つというか。
加山雄三ショー、のような大げさななんとかショーのテーマ曲みたいで…。
次は、ウーラントの詩による、独唱と合唱と管弦楽のための吟唱歌人タイユフェop.52。
合唱の力強さがひと際目立つ作品。
独唱は、テノールのスヴェンセンとバリトンのヘルマンはワーグナー風。
ソプラノのバンゼは、あまり好感の持てない声*2。
ただ、このホールの前のほうは、歌い手の声がうまく響かない(というか、地の声で聴こえる)ことも大きいのかもしれないが。
後半のベートーヴェンは、ファースト・ヴァイオリン12…コントラバス8という大きい編成。
演奏のほうは、アーノンクールやノリントンのような「過激」な解釈ではなかったが、古臭いという感じがするものでもない。
テンポは速めで、第1楽章の再現部や、曲の終わりなど、聴いていて興奮する部分もあった。
ただ一方で、ベートーヴェンの作品(それだけでなく古典派の作品)の演奏は難しいということを再認識したことも事実である。
*1:ジリノフスキーは、ロシアの自由民主党党首を務める極右政治家。いくら冗談とはいえ、これはネーメ・ヤルヴィに失礼だった。ヤルヴィはジリノフスキーとちっとも似ていないし…。
*2:ユリアーネ・バンゼか? 確かに、彼女の声質はあまり好みではないので。