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1994年2月25日(欧州音楽日記23)

 ☆ケルンWDR交響楽団定期演奏会

  指揮:ネーメ・ヤルヴィ
  会場:ケルン・フィルハーモニー


 ケルンWDR交響楽団の定期演奏会をシュテー(立ち見)で購入し、いつもの如く前方の席に移動して聴く。
 ヤマハの寺田さんとお会いし、いろいろとうかがう。

 さて、コンサートのほう。
 指揮は、エストニア出身でエーテボリ交響楽団やロイヤル・スコティシュ・ナショナル管弦楽団とのCD録音で一躍有名になったネーメ・ヤルヴィ。
 出て来たときには、「ジリノフスキーの登場か?」*1と思った。
 と、これは冗談。

 プログラムは、前半がリヒャルト・シュトラウスで、後半がベートーヴェンの7番のシンフォニー。
 第一曲目は、祝典前奏曲。
 オルガン独奏に加え、客席側後方にトランペット群を置いた壮麗華美な作品。
 リヒャルト・シュトラウスのオーケストレーションの巧みさを示す一曲だし、WDRのオケもよく鳴っていたが、なんだか早書きというか、手際のよさが目立つというか。
 加山雄三ショー、のような大げさななんとかショーのテーマ曲みたいで…。
 次は、ウーラントの詩による、独唱と合唱と管弦楽のための吟唱歌人タイユフェop.52。
 合唱の力強さがひと際目立つ作品。
 独唱は、テノールのスヴェンセンとバリトンのヘルマンはワーグナー風。
 ソプラノのバンゼは、あまり好感の持てない声*2。
 ただ、このホールの前のほうは、歌い手の声がうまく響かない(というか、地の声で聴こえる)ことも大きいのかもしれないが。

 後半のベートーヴェンは、ファースト・ヴァイオリン12…コントラバス8という大きい編成。
 演奏のほうは、アーノンクールやノリントンのような「過激」な解釈ではなかったが、古臭いという感じがするものでもない。
 テンポは速めで、第1楽章の再現部や、曲の終わりなど、聴いていて興奮する部分もあった。
 ただ一方で、ベートーヴェンの作品(それだけでなく古典派の作品)の演奏は難しいということを再認識したことも事実である。



*1:ジリノフスキーは、ロシアの自由民主党党首を務める極右政治家。いくら冗談とはいえ、これはネーメ・ヤルヴィに失礼だった。ヤルヴィはジリノフスキーとちっとも似ていないし…。

*2:ユリアーネ・バンゼか? 確かに、彼女の声質はあまり好みではないので。
by figarok492na | 2009-09-13 12:14 | 欧州音楽日記
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