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結局聴きに行った、京都市交響楽団第529回定期演奏会

 ☆京都市交響楽団第529回定期演奏会

  指揮:井上 道義
  座席:3階 RA-1列4番(休憩前、勘違いで)、同5番(休憩後)


 P席を買いそびれ、好みの席もないということで、一度はパスすることに決めた京都市交響楽団第529回定期演奏会だったが、オーケストラ好きの血が騒ぎ、結局聴きに行って来た。
 ただし、いくつか用件を片づけているうちに外出が遅れ、北山の京都コンサートホールに着いたのは開演の3分ほど前。
 一瞬後半だけでもいいかと思ったが(そのほうが断然安いし)、ぎりぎりなんとか間に合いそうなので、コンサート全部聴くことにした。
(で、慌てて走ったおかげで、休憩途中までおなかが痛くて仕方がなかった。お出かけは計画的に…)

 前半は、モーツァルトの交響曲第36番「リンツ」。
 思い切り編成を刈り込んで両翼配置(第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを左右対称に配置)、ヴィヴラートやレガートも控えめだしテンポもスピーディーと、予想通り最近の井上道義らしくピリオド奏法を援用した音楽づくりとなっていた。
 第1楽章など、ところどころ長調の中に潜む音の翳りがもっと出てくればなあと感じたこともなくはなかったが、すっきりとしてスポーティー、実に爽快で聴き心地のよい演奏だったと思う。

 一方、休憩を挟んだメインのブルックナーの交響曲第9番は、非常にゆっくりとしたテンポで第1楽章が始まったのだけど、ううん、これは個人的にはあまりしっくりとはこなかった。
 先日、クリストフ・エッシェンバッハ指揮パリ管弦楽団の演奏した同じ曲のライヴ録音をネットラジオで耳にして、「地に足はついてないけれど、天にも昇れない」と記したのだが、今回の井上道義と京響の演奏もそれとどこか似たような感じ。
 大づくりに過ぎるというか、ねばっこさがあり過ぎるというか、何かやってるやってる感がつきまとうというか。
 同じ第9番の交響曲でも、マーラーならばしっくりくるのだろうになあ、と思ってしまう。
 続く第2楽章は、期待していたほどのやたけた感はなかったものの、計算づくの民族大移動(なんじゃそりゃ?)といった具合で、この楽章の持つ新しさと旧さの両面が巧く表されていたように感じた。
 終楽章も、入魂の指揮ぶりとでも呼びたくなるような真摯な音楽づくりを井上道義は行っていて、弦や、木管のソロなどの美しさに惹き込まれる箇所がたびたびあった。
 また、これは全楽章に共通するが、全ての楽器が強奏する部分での迫力は、やはり生ならではのものという感も新たにした。
 ただ、時折ライブ特有の傷が観(聴き)受けられたことも事実で、特にホルンの不調が気になってしまったことは付記しておきたい。
by figarok492na | 2009-10-31 00:05 | コンサート記録
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