「ほっ」と。キャンペーン

カテゴリ:落語・ネオ落語記録( 18 )

ネオ落語・セントラル 第25回

☆ネオ落語・セントラル 第25回

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、月亭方気さん、センサールマン
 大喜利出演:すり身氏、kit氏、無農薬亭農薬君
(2016年4月4日20時開演/錦湯)


 春眠暁を覚えず。
 気温も上がってめっきり春らしくなって、おまけに花粉まで飛んで、眠気に襲われがちな京この頃。
 すっきりするには笑いが一番と、昨夜も錦湯さんに足を運んだ。

 25回目となる今回は、桂三河さん、月亭太遊さん、月亭方気さん、センサールマンの4組5人の出演。
 まずは、太遊さん、センサールマンの3人のトークからスタート。
 太遊さんが十手リンジンの西手さんとニューハーフshow house「ベティのマヨネーズ」に行って目にしたことなどで盛り上げる。

 で、はじめは三河さんが『初恋』を演じた。
 『初恋』は、先ごろ上方落語協会会長に再選された桂文枝師匠の三枝時代の作品。
 島崎藤村の詩『初恋』を巧みに引用した新作だが、細かくくすぐりが仕掛けられていて、よくできているなあと改めて思う。
 そして、登場人物の設定には、どうしても文枝さん自身の生い立ちが重なってしまう。
 もちろん、三河さんは一切ウェットにならず、きっちり笑いをとりながら演じていたが。
(そうそう、先日のABCラジオ『征平吉弥の土曜も全開!!』で、上方落語協会の会長選挙で桂恩狸さんに1票入っていたと触れられていたっけ。うむむ…)

 続けて、方気さんが登場。
 マクラで尿道結石に苦しんだ話をひとしきりして、痛風「同志」、おまけに腎臓結石という爆弾を抱えるこちらを笑わせつつ戦々恐々とさせたのち、本題の『河豚鍋』へ。
 未だ河豚は食べたし命は惜しし、という時代のお話。
 方気さんは丹念丁寧に演じつつ、時にデフォルメを効かせながら人の心の動きを笑いにしてみせた。
 それにしても、河豚鍋食べたくなったなあ。

 三番目は太遊さん。
 スタートのトークで触れた「ベティのマヨネーズ」の売れっ子さんのネタに重なると断りつつ、フリップ(画用紙帳に言葉やイラストを書いた)を用いた「替え歌シリーズ」を披露。
 とかとんとんと笑いをとる。
 さらに、10年前のR-1でのネタ「CDショップ」も披露。
 これはもう太遊さんの美声美喉が肝で命のネタで、ここぞとばかり歌い切った。
 太遊さんは歌も巧けりゃ画も巧い。

 トリは、センサールマンの漫才だ。
 愛植男さん(客側から見て左側)のお父さんが、山崎仕事人さん(同右側)の子供に本を読み聞かせるという、子守唄ならぬ子守読みシリーズを演じた。
 昨夜は、『浦島太郎』、『ウサギとカメ』、『笠地蔵』の三つが選ばれたのだけれど、植男さんの怪演怪演また怪演がどうしてもおかしい。
 対する仕事人さんもエネルギッシュに応じて、笑いの拍車をかける。
 センサールマンのお二人、脂が乗り切ってるなあ。
 本当に面白い。
 それに、ネタのチョイスも昨夜の錦湯さんにはばっちりだった。

 そして、最後は定番の大喜利。
 作家の桜井さん(あいにくお休み)や常連でライターの神龍さん提供のお題に、三河さん、方気さん、植男さん、仕事人さん、さらに大喜利ゲストの、すり身さん、kitさん、無農薬亭農薬君が挑んだ。
 「宇宙人が空港で怒っていた、なぜ?」、「花も咲いていない桜の木の下に座った男が持っていたボードにはなんと書かれていた?」といった一筋縄ではいかないお題に対して、プロ・チームでは植男さん、仕事人さんがコンスタントにヒット、ホームラン(正解)を重ねていた。
 その隙を狙って方気さんや三河さんも仕掛ける。
 一方、あの『ケータイ大喜利』のレジェンドであるすり身さん、kitさんも一捻りだけじゃなく、二捻りはある解答で無農薬亭農薬君とともに大喜利を盛り上げた。
 当然、昨夜も太遊さんの仕切りは好調。
 的確適切覿面に解答者たちをさばいていた。

 と、笑いに溢れたネオ落語・セントラル。
 眠る阿呆に笑う阿呆、同じ阿呆なら笑わにゃ損損。
 皆さんも、月曜20時は錦湯さんにぜひ!
 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-04-05 08:54 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第24回

☆ネオ落語・セントラル 第24回

 出演:桂三幸さん、月亭太遊さん、月亭八織さん
 大喜利ゲスト:木曜屋さん、文さん、無農薬亭農薬君ほか多数
(2016年3月28日20時開演/錦湯)


 数回前の感想で、第4期に入ったなどと記したネオ落語・セントラルだが、立ち見のお客さんまで出た錦湯さんの光景を前に、こりゃ第5期、は言い過ぎとしても、第4・5期には移ったかなどと思ってしまった。
 24回目となる昨夜のネオ落語・セントラルは、大喜利愛好家のご新規さん軍団にリピーターさん、そして常連さんとバラエティに富んだお客さんが集まって盛況盛況大盛況だった。

 まずは、三幸さん、太遊さん、八織さんのトークからスタート。
 会場の様子をうかがいつつ、盛り上げた。

 で、太遊さんが短いネタを二つ。
 あの「夢の国」の楽曲を引用して、超ミニマムな貧しい世帯を描いたミュージカル・ネタ(世界と世帯だぜ!ワールドだろう)と、あの「ドナドナ」が激しい変貌を遂げるヘヴィメタ・ネタと二連発でバ、バンと決めた。

 続いて、セントラル2回目となる八織さんが高座に上がる。
 最近話題のあの人のことや、お師匠の八方さんとのこと、太遊さんとのこと(爆弾宣言不発。が、その不発が笑いになっていた)等々、ホラはいいけど嘘は…。
 と、マクラで伏線を張ってから本題の『鉄砲勇助』を演じる。
 あっと言う間もあらばこそ、熊に襲われ。
 とは、おなじみチェーホフは『三人姉妹』のチェブトゥイキンの台詞だけど、そのあっと言う間もあらばこそ流の「たったたたたたたたたたた」の速いテンポのやり取りはそのままに、八織さん独自のアレンジが加えられていたのは、前回登場時(第17回)の『寿限無』と同じ。
 女性落語家が古典を演じることの難しさを踏まえた、だけじゃなくて、自分のチャームポイント、プラスの部分、身の丈を心得た上での改作で、その意味でもとても興味深く、面白かった。
 余談を一つ。
 八織さんって物真似の得意ネタが二つ、三つありそうな気がするんだけど、どうだろう。

 三番目は、三幸さん。
 三幸マクラで軽くいなしてから、本題へ。
 会場の様子を見極めて、昨夜は古典の『十徳』を演じた。
 セントラルでは、太遊さんのさくっと流れるピリオド・スタイルの『十徳』がおなじみだが、三幸さんは速いテンポはとりつつも、やり取り自体はオーソドックスに重ねていく端正な語り口。
 それでいて、ここぞというところでフォルテッシモを強調していくあたり、まるでサイモン・ラトルが指揮したハイドンのシンフォニーのようだ。
(てな具合で、この感想、時々わざとクラシック音楽のことや、演劇のことや、映画のこと、小説のことを混ぜ込んでいきます。落語「だけ」、大喜利「だけ」のファンの方、平にご容赦)
 三幸さん、ネオはめ物だけじゃない。

 トリは、再登場の太遊さん。
 ツイッターではネオ落語『久御山ヘゲモニーランド』のネタおろしが予告されていたが、急遽ガンダムの世界を歌ったネオらぷご(ラップ落語)に転身。
 そして、〆はらぷごの十八番『グローバル・スカタンダード』でかまし終えた。

 最後は、定番の大喜利。
 愛好家の皆さんは手ぐすね引いて待ってましたって感じだろう。
 作家の桜井さん(残念ながら昨夜はお休みなり)考案のお題に、三幸さん、大喜利愛好家の面々が果敢に挑んだ。
 ちなみに昨夜のお題は、野球野球アメリカアメリカと来て、再び野球!
 いつもの如くコンスタントにヒットを飛ばす三幸さんに対して、大喜利軍団は多種多様。
 陰にこもって鐘の音が…、じゃないけど心の内の気泡がぼわっとはじけ出るような木曜屋さん、解答者では唯一の女性で、じわりとくる文(「がっこう」と読む)さん、おなじみ無農薬亭農薬君、さらには大喜利修業で来阪しさらに錦湯さんへとやって来た同郷長崎の青年博士の生い立ち君(解答数多し)、紳士然としつつファニーなひらたいさん(ネクタイでボードのマジックの字を消してたで!)、かるあ君、さらには会場の貯蓄アンドザシティさん、ひつじのあゆみさんが登場し大乱打戦を繰り広げた。
 八織さんはアシストに回って、これはという解答に頭をなでなで。
 的確ななでなでだった。
 で、なんと言ってもこの顔触れを当意即妙捌き切った太遊さんの仕切り!
 彼なくして笑いなしということも痛感した次第。

 と、昨夜も目いっぱいお腹いっぱいのネオ落語・セントラルでした。
 大喜利ファンもそうでない人も、月曜20時は錦湯さんにぜひ。
 ああ、面白かった!

 あのさあ、わたしたちってまだまだ終わっちゃいないんだよ。
 生きて行かなくちゃ。
 自衛隊のブラバンがぷうすかぱあすか愉しそうに鳴ってるけど。
 もちょっとしたら、なんで生きてんのかとか、なんでしんどいのかとか、ぜえんぶわかっちゃうような気がするんだ。
 それがわかっちゃえばさ、それがわかっちゃえば。
(チェーホフの『三人姉妹』からラストのオーリガの台詞より)
[PR]
by figarok492na | 2016-03-29 09:02 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第23回

☆ネオ落語・セントラル 第23回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利ゲスト:貯蓄アンドザシティ氏、ひつじのあゆみ氏、かるあ氏、広瀬信輔君
(2016年3月21日20時開演/錦湯)


 さあ春だ。
 目の周りのかゆみや咳込み、くしゃみの連発は厄介だが、ようやっとあったかくなってきたと思ったら、あれあれ、またぞろ寒の戻りだよ。
 こと月曜の夜は気温が下がってないか、と思いつつ錦湯さんへ向かったら、ほら案の定お客さんの入りも…。
 が、三連休の最終日なれど、開演が近づくにつれて徐々に客足は伸び、蓋を開けたら結局大入りのネオ落語・セントラルだった。

 23回目となる今回は、桂あおばさんと月亭太遊さんのトークからスパークする。

 で、近況報告や落語の世界の話題で盛り上げたところで、あおばさんが高座へ。
 黒紋付に袴姿が凛々しいあおばさんが演じたのは、『替り目』だ。
 酒を飲む、んじゃなくて飲まれがちな男が古女房への想いを切々と語ってしまうというのが肝となる古典だけれど、あおばさんは冒頭の俥屋や女房とのやり取りをテンポよく演じて、男の本音の部分をクライマックスにもってきていた。
 そこに、ふと師匠のざこばさんの姿が見えるとともに、例えば『ハンカチ』同様、あおばさんの人柄、愛らしさが垣間見えるのもいい。
 二十年後、三十年後、落語家として一人の人間として様々な経験を重ねたあおばさんがこの『替り目』をどう演じるのかも非常に愉しみだ。

 続いては、桂三幸さんが登場する。
 昨夜は、ここ錦湯さんではもうおなじみのi phoneとミニスピーカーの「ネオはめ物」を駆使したネタ二題。
 まず「ネオはめ物」のやり取りを前面に押し出したネタ(R-1用?)を短めに。
 なぜだか焼き肉が食べたくなる。
 さらに、間奏部分のおしゃべりを挟んで、今度はセントラルで発表した新作の再演。
 平成わらしべ長者とでも呼ぶべき内容の作品で、ルーティン(積み重ね)が笑いの仕掛けとなった作品である。
 昨夜は、ショートバージョンだったが、別の場所では「ネオはめ物」がさらに愉しめると思う。
 こうご期待。

 トリは、太遊さんのネタおろし『もくぎょがしら』。
 放浪のラッパー・アマリリクが登場してフリーのラップ対決を行うというスタイルではあるんだけれど、今回の作品はなんと言っても、もののけ「もくぎょがしら」の造形がグロおもしろい。
 エログロナンセンス、ならぬグログロハイセンスだ。
 そして、きっちり笑いをとりつつも、伝えようとすることがしっかり織り込まれてもいた。

 最後は、定番の大喜利。
 作家の桜井さん(あいにく昨夜はお休み)考案のお題に対し、三幸さん、あおばさんに加え、大喜利ゲストの貯蓄アンドザシティさん(何食わぬ顔して、おもろい答えを出す)、ひつじのあゆみさん(飄々舎でもおなじみ)、かるあさん(不敵な大学生)、広瀬信輔君(未来会議)の六人が挑んだ。
 先週の笑利さん、十手リンジン十田さん&西手さんの機智guyトリオの嵐と違って、どこか静かに進みがちなところを、太遊さんが巧みに仕切って笑いに変えていた。
 そこにぐっと絡んでいくあおばさん、それをすっとかわす三幸さんも、さすがのコンビネーションである。
 一方、大喜利愛好家の大喜利ストの面々は、一答必笑の構え。
 四人四様の答えを繰り出していた。
 大喜利は笑いの縮図であり、また人生の縮図なのだった!

 と、今回も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 皆さん、月曜20時は錦湯さんにぜひ!

 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-03-22 08:37 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第22回

☆ネオ落語・セントラル 第22回

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、十手リンジン
 大喜利ゲスト:笑福亭笑利さん、広瀬信輔君
(2016年3月14日20時開演/錦湯)


 雨はやんだものの、またぞろ寒さが増した夜だったが、常連さん、リピーターさん、ご新規さんでネオ落語・セントラルは今回も大入り満員の盛況だった。
 重畳重畳。
 22回目となる今回は、桂三河さん、月亭太遊さん、十手リンジンが揃ったが、まずは太遊さんと大喜利ゲストの笑福亭笑利さんのトークから。
 近況報告をさぐりつつ仕掛けつつ語っていくのだけれど、笑利さんの暴発とそれを受ける太遊さんの攻防が大きな笑いを生んでいた。

 と、あったまったところで三河さんがやおら登場し、十八番の新作『ぼくだけのアイドル』を演じた。
 すでにおなじみの作品。
 なれど、お客さんが新しいところに、昨今のあれこれをくすぐりとして仕込んだこともあってひときわ笑いが生れていた。

 続いては、十手リンジンの漫才。
 奈良すみます芸人の十田卓さん(客席から見て左側)と西手隼人さん(右側)の二人組。
 大劇場向きの前へ前へ繰り出すパワフルでエネルギッシュな漫才のやり手たちだが、フロンティア・セントラルへの重ねての出演で錦湯の間尺を心得た上に、お客さんの側もお二人に馴染んできたこと、さらに若いお客さんが増えてきたこともあって、今夜もしっかりはまっている。
 得意の「陸上ネタ」に小刻みなアレンジを加えながら、速いテンポで熱快に駆け抜けた。

 トリは、太遊さんの新作『globe落語』。
 ストラヴィンスキーの『プルチネッラ』やレスピーギの『風変わりな店』を彷彿とさせる新古典派的な作品。
 …おますな、といった感じの上方落語の口調で、結成20周年を迎えたマーク・パンサーと小室のやり取りを演じてみせる。
 サゲも、タイトルならでは。
 そこに、太遊さんの考え方や歌/リリックが入ってくるのも、擬古典的である。
 そして、『グローバル・スカタンロード』をひとくさりして〆た。

 最後は定番の大喜利をたっぷりと。
 太遊さんの当意即妙な仕切りの下、三河さん、十手リンジンのお二人、笑利さん、大喜利ゲストの広瀬君が答えを競った。
 「全米が鼻で笑った映画とは?」、「卒業式でがっかりさせた校長のやったこと」など、お題はお手伝いで来られている作家の桜井さん。
 今回は、なんと言っても笑利さんを筆頭に(登場する際の、女性のお客さんへのフラワー贈呈からして「やってやる感」満載)、十田さん、西手さんの脱線てんぷく墜落トリオの機智guy三人が、ナパーム弾に細菌兵器、劣化ウラン弾、とどめは原子爆弾水素爆弾を投下炸裂させて、遂にはゴジラもメカゴジラもモスラもゴケミドロもマタンゴもつちのこも出現させようかというほどの笑いの渦を巻き起こしていた。
 むろん、それも仕切りの太遊さんあってこその機智guy競争だったことは言うまでもない。
 おまけに、広瀬君も軽く変だし。
 結局、慌てて答えざること山の如し、三河さんだけがまともだったという大喜利だった。

 といった具合で、何が飛び出すかわからないネオ落語・セントラル。
 「世界に一つだけの笑い」に固執しない方は、ぜひぜひお越しください!
 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-03-15 08:39 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第21回

☆ネオ落語・セントラル 第21回

 出演:桂三幸さん、桂三四郎さん、月亭太遊さん、桂恩狸さん
 大喜利ゲスト:無農薬亭農薬君、ゴハ氏(ホシノ企画)、かるあ氏
(2016年3月7日20時開演/錦湯)


 先週の降雪と激しい寒さが嘘のようにめっきりと暖かくなった今夜も、ネオ落語・セントラルは大入り満員の大盛況。
 常連さん、リピーターさん、ご新規さんとバランスのよい顔触れも重畳重畳である。

 21回目となる今回は、兄弟弟子の桂三幸さん、桂三四郎さんと、生ける進撃の巨人桂恩狸さん、そして月亭太遊さんの四人が出演で、三幸さん、太遊さん、恩狸さんの三人のトークからスタートした。

 で、近況報告その他で盛り上げたのち、2ヶ月近くぶりの登場となる恩狸さんの新作『アルコチュール』から。
 実は、今夜は四人とも「ネタおろし」という趣向だったのだけれど、『アルコチュール』は、先日恩狸さんが急性アルコール中毒で倒れてしまったという事実を落語に造り直したもの。
 あえて黒紋付で高座に上がったのも、そうした内容だから。
 と、急性アルコール中毒になった顛末がマクラの如く語られ始めて、そのまま本題になっていたという「私落語」とでも呼びたくなるような作品だった。
 あとの三幸さんや三四郎さんがちらと触れていたが、声の大きさ、前へ前へとぐいぐい進撃する恩狸さんらしさがよく出ていたと思う。

 続いては、三幸さんのネタおろし。
 さらっとレパートリー方式のマクラ(って、なんのことかわからないか。用意しておいたマクラってこと)をすませてから、本題へ。
 巌流島の決闘で、宮本武蔵だけではなく、佐々木小次郎も遅れて巌流島(舟島)に到着していたのだとしたら…。
 元ネタが元ネタだけにシリアスになりがちと思いきや、そこは三幸さん、細かいくすぐりをふんだんに盛り込んで、笑いの多いうける作品に仕上げていた。
 ちなみに、この新作ではネオはめ物の登場はなし。

 三人目は、今回で二回目の出演となる三四郎さん。
 最近長年苦しんでいた鼻の手術をしたという話を丁寧に、笑いどころもたっぷりにマクラで語ったのち、本題に入る。
 そろそろ大切な決断をしなければならぬ年頃の男女二人…。
 と、この新作はこのあたりまでしか記さないほうがいいんじゃないかな。
 ネタばれ禁止という言い方もおかしいが、「あっ、なるほど」と納得したり、「ああ、それを持って来るんや」と感心したり、いずれにしても笑ってしまう仕掛けがたっぷりな作品なので。
 今らしく、それでいて根本的な部分は古典にも通じる設定も巧い。
 あっ、あと三四郎さんとは全く異なる登場人物ではないんだけれど、もしかしたらどこか微かに実人生の反映でもあったりして、と感じたりもした。

 トリは、太遊さんのらぷご(ラップ落語)のネタおろし『白石のお返し』だ。
 バレンタインデーのお返しにリリック(ラップ)を用意したアマリリクだったが…。
 ネタの部分は、身につまされるような内容。
 もちろん、マクラも含めて太遊さんの真情心情信条身上が巧く笑いにつながっていた。
 そして、エンディングソングとして口演されたのは、先週おろされた『グローバル・スカタンロード』。
 「目覚めよ、と呼ぶ声あり」である。

 最後は、定番の大喜利。
 いつもながらにテンポがよくて、的確適切硬軟自在の太遊さんの仕切りの下、三幸さん、東京行きの最終新幹線を逃して戻って来た三四郎さん、恩狸さんに、このコーナーのゲスト、レギュラー無農薬亭農薬君、ホシノ企画なる独立大喜利組織のゴハさん、弱冠20歳の大学生かるあさんが加わって、名答快答珍答を続々と繰り出す。
(お題は、ネオ落語・セントラルのお手伝いもやっている作家の桜井さん。今回も、「中国のにせものドラえもんのぽんこつ具合は」や、「野球場で観客がくすくす笑っていた理由とは」、「宇宙船のいらないシステムは」とネオ落語・セントラルの大喜利に相応しいお題だった)
 三幸さん、三四郎さんがコンスタントにおかしい答えを出して、恩狸さんが微妙な解答で太遊さんや三四郎さんに説教されるというパターンを落語家陣は確立。
 一方、京都大喜利界の面々は、井上日召の血盟団もびっくり、一人一殺ならぬ一答一殺の覚悟かと思わせるオオギリストぶり(てのは、大げさやね)。
 斜に構えて反転したような無農薬亭農薬君、しれっとした顔をして毒を出すゴハさん、20歳てのは本当かねと疑いたくなるような良い意味で年齢不相応の解答のかるあ君と三者三様だった。

 と、今夜も盛りだくさん、お客さんもたくさんの錦湯さんでした。
 第4期に突入したネオ落語・セントラルに、皆さんもぜひ!
 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-03-08 03:29 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第20回

☆ネオ落語・セントラル 第20回

 出演:月亭太遊さん、月亭遊真さん、ネイビーズアフロ
 大喜利ゲスト:合田団地君、無農薬亭農薬君、貯蓄アンドザシティさん
(2016年2月29日20時開演/錦湯)


 昨日はあんなに穏やかだったのに、一転雪まで降るような寒い夜となったが、今夜もネオ落語・セントラルは大入り満員の大盛況。
 常連さんにリピーターさん、ご新規さんと非常にバランスよくお客さんが集まった。

 20回目となる今回は、月亭太遊さんとその弟弟子の月亭遊真さん、そしてネオ落語・セントラル初見参となるネイビーズアフロの出演。
 まずは、4人でトークを繰り広げる。

 で、いっとう最初に太遊さんが『来て!観て!イミテイ村』をかける。
 今や十八番の一つとでも呼ぶべきネオラクゴだが、実はあとのネタオロシの伏線ともなっていた。

 遊真さんは、おなじみ『時うどん』を演じる。
 序盤はメリハリよく、かつ丹念に積み重ね、終盤にその積み重ねた分を笑いに還していくという構成筋運びになっていた。
 五年後十年後の遊真さんが本当に愉しみだ。

 続いて、ネイビーズアフロが登場。
 客席から見て左側皆川勇気さんと右側羽尻紘規さんのネイビーズアフロは、京都出身で堀川高校を卒業後、ともに神戸大学に進学、そこからNSCに転じたという、現在23歳の若手漫才コンビだ。
 青の上下できっちり決めた二人だけれど、今夜披露したネタは、端正な語り口で木目細かいくすぐりが豊富な笑いどころの多いものだった。
 iphoneのsiriを使ったネタで、タイミングよく錦湯さんの黒電話が鳴り出すなど、「持ってる」コンビでもある。
 3月25日には、祇園花月で単独ライブ「夢のまんましんでいけるin祇園花月」(19時~、前売り1500円、当日2000円)も予定されていて、ご都合よろしい方はぜひ!!

 トリは、太遊さんの「らぷご(ラップ落語)」の新作ネタオロシ『グローバルスカタンダード』。
 満を持してクラブに登場したラップ遍歴中のアマリリクに、突然マイクジャックを志願した男性はあのイミテイ村の住人で…。
 地方が喰い潰されていく現状に対する憤りを笑いをまぶしてラプった内容で、太遊さんの言の如く、吉幾三の『俺ら東京さ行くだ』へのアンサーソング(リリック)ともなっていた。
 ちょうど桃月庵白酒さんの独演会を聴いたばかりということもあり、いろいろと考えさせられる。
 いずれにしても、らぷごの進撃はまだまだ続く!

 最後は、ネオ落語・セントラルの定番大喜利だ。
 ネイビーズアフロの二人が的確で面白い解答を重ねれば、遊真さんは他の面々の解答にきっちり反応しつつここぞというところで巧い解答を繰り出す。
 一方、合田君、無農薬亭農薬君、貯蓄アンドザシティさんの大喜利ゲスト軍団も負けじと次々に応える。
 初登場の貯蓄アンドザシティさん、まじめな口調がかえっておかしい。
 合田君も絶好調だった。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 どうやら新たなステップ(フロンティアから数えて第四期か?)に入ったと思しきネオ落語・セントラル。
 落語好きも落語嫌いも、ラップ好きもラップ嫌いも、人間好きも人間嫌いも、みんな錦湯さんに集まれ!!
[PR]
by figarok492na | 2016-03-01 03:42 | 落語・ネオ落語記録

京都文博噺の会Vol.1 桃月庵白酒独演会

☆京都文博噺の会Vol.1 桃月庵白酒独演会

 出演:桃月庵白酒さん
 前座:桃月庵はまぐりさん
(2016年2月28日14時開演/京都文化博物館6階和室)


 あれは、『権助魚』だった。
 2005年のクリスマス、結婚しようと話をしながら、いろいろと重なって傷つけたり傷つけられたりと、ぐじぐじじぐじぐした間柄の相手と会いに東京を訪れ、ますますぐじぐじじぐじぐした気分になって新宿を歩いているときにふと入った末広亭で聴いた、桃月庵白酒さんの高座がめっぽう面白かった。
 今回の会のプロフィールを確認すると、2005年の9月に真打に昇進、三代桃月庵白酒を襲名とあるから、まだ出番が早いのも当然だけれど、この人からは目が離せないと思うとともに、ぐじぐじじぐじぐとまるで『浮雲』の森雅之か何かを気取るなんておこがましい、自分自身をもっと笑い飛ばさなくてはと目の前がすかっと晴れたものだ。
 その後も、CDその他でさらに笑いに磨きがかかっているなあと感じながら10年以上、大阪で会が開かれているのを知りつつも、ずっと生の高座に接することができないでいた。
 それが、京都文化博物館で新たに始まった落語会、京都文博噺の会のいっとう最初に白酒さんの独演会が開催されるというので、迷わず足を運んだ。
(正直、京都の文化博物館の一番目に東京の噺家さんが呼ばれるということ自体には、いろいろと想うところもある。が、ここではあえてくだくだとは記さない)

 前座はお弟子さんのはまぐりさん。
 お師匠の白酒さんと二人、70畳もの楽屋を用意されて…というマクラで笑いをとって、『真田小僧』の最初の部分を演じた。
 地の部分より、会話の部分がこなれているように感じる。

 で、白酒さんの一席目は『松曳き』。
 高座と客席(京都御所の清涼殿の復元原寸模型の上に高座を設えたために、客席が横にだだ広くなってしまう)にちゃちゃを入れつつ、お客さんの様子を窺うが、東京他の遠征組も含めて満員のお客さんはすでに笑うぞという準備は万端。
 それに応えて、白酒さんも昨今の話題を挟んで大きな笑いを起こし、本題へ。
 お庭の赤松を植え替えようとするお殿様と家臣三太夫の「バカオロカ」ぶりが肝の噺だけれど、二人の間抜けっぷりを白酒さんは良い間で畳みかけていく。
 会場、大いにわく。

 続くは、『替り目』。
 ぐでんぐでんに酔った亭主の古女房に対する愛情をしんみりたっぷり演じるやり方もあるが、白酒さんはそうした噺の性質を押さえつつも、亭主と彼に振り回される人々とのやり取りの滑稽さにも力点を置いて、しっかり笑いを生み出していた。
 なお、白酒さんは途中で切らずに『替り目』という題そのもののサゲまで演じる。

 仲入り後は、『幾代餅』。
 花魁幾代太夫の絵姿を目にして恋煩いにとりつかれた職人清蔵は…。
 というおなじみの噺だけれど、自分が古今亭一門であることを示したりもして、清蔵と幾代太夫や、親方と清蔵のやり取りなどをドライに処理し、新しいくすぐりも随所に盛り込んだ笑いどころの豊富な爆笑篇に白酒さんは仕上げていた。
 中でも、清蔵の人格の著しい変化と廃人ぶりなど笑うほかなかったし、マクラがきちんとそのことの伏線になっていたのにも感心する。

 と、仲入りを入れて2時間強。
 たっぷり笑い、たっぷり刺激を受けた独演会でした。
 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-02-28 20:07 | 落語・ネオ落語記録

第0回つくるクラブ vol.1

☆第0回 つくるクラブ vol.1

 出演:桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さん
(2016年2月27日19時開演/ジョイ船場50内船場寄席)


 秘密結社といえば、ヨーロッパ出自のフリーメーソンに薔薇十字団が有名だが、ここ関西では「つくらせるクラブ」なる団体がどうやら暗躍を始めた。
 関西でこれはと思った新作落語に熱心な落語家桂三河さん、月亭太遊さん、桂三実さん、笑福亭笑利さんの四人に、団体の首領と思しき人物(小学生?)が手紙を送り、その名も「第0回つくるクラブ」なる新たな落語会を開催させたのだ!!!

 とは、もちろん四人の趣向。
 こんなこと書くまでもないことだけど、結構信じる向きもあるらしいので、無粋を承知で記しておいた。
 なあんかつまんないの。

 ちなみに、会場の船場寄席は地下鉄堺筋本町駅、並びに本町駅に直結した商業集合ビル、船場センタービルの2号館地下2階の食事名店街ジョイ船場50の一角にあり、きちんと高座も設えてある。
 別の方角から来たせいで、金髪のウイッグをして赤いドレスを来た女性が歌を歌っているパーティか何かに間違えて紛れ込んでしまい、変な顔をされてしまった…。

 三河さん、太遊さん、三実さん、笑利さんのトークからクラブはスタート。
 つくるクラブ、つくらせるクラブとはなんぞやという点はもちろんのこと、最近関西落語界を賑わせている事どもに関しても当然触れられていた。
 まあ、この顔触れだものね。

 まずは三実さんが『味噌豆』を演じる。
 えっ、『味噌豆』って古典じゃないの、と難じる向きもあるかもしれないが、そこは三実さん。
 噺の肝、というところで、突然CMを挟み込む。
 今のテレビへのちくっとした批評(批判ではなく)という意味でもいいところを突いているんだけど、それより何より、古典の部分での端正な語り口とある種突拍子もないCMでの狂気の芽のようなもののコントラストが、僕には面白くて仕方なかった。
 『ふたりでできるもん』での「アイドルは総理大臣」もそうだし、先日のネオ落語・セントラルの大喜利での解答もそうだが、三実さんは良い意味で相当な曲者ではないか。
 三実さん、要注目である。

 続く笑利さんは、錦湯さんでオロシた「鯉つかみ」の新作。
 どこかの村に宿泊している二人組の片割れ(品川隆二演じる焼津の半次あたりをご想像いただければ)が、若い娘に誘われて夜な夜な大きな湖と向かったが、なんとこれが湖に棲む鯉の化け物の仕業で…。
 初演時は出来たてほやほやの作品をぶっつけ本番でかけたため、仕掛けの道具がしっちゃかめっちゃかになるなど、やたけた具合に笑いが起こっていた。
 で、今回は、かためるべきところはきっちりかため、仕掛けもシンプルなおかつ見栄えがしてしっかり笑いがとれるものに改め、それでいてやたけた具合は良い意味でパワーアップさせて、大きな笑いを巻き起こしていた。
 いやあ、これはぜひまた観たいな。

 三番目の三河さんは、ネオ落語の常連さんにもおなじみ『阿修羅』をかけた。
 人間世界に修羅場を起こさせる阿修羅たち。
 その大阪支部に、阿修羅オブ阿修羅の修羅長がやって来た。
 一日100万件の修羅場をつくれとの命令に、大阪支部の阿修羅たちは…。
 何度聴いても、大阪のあかんちん阿修羅が造り出すちまちまとした修羅場が面白い。
 そして、今夜はマクラや本題に、修羅場オブ修羅場の新しいくすぐりもしっかり盛り込まれていた。
 次回は、季節も春だろうということで、快(怪)作『春の一大事』を演じていただければ。

 そして、トリは太遊さんの「らぷご」(ラップ落語)『リク、踏みだせばいいんだ』。
 ラッパーを夢想するひきこもりの青年アマリリクに、両親が部屋を出ろ、家を出ろ、とフリースタイルラップの勝負を挑む。
 細かいくすぐりもそうだけど、この作品の肝は当然ラップの部分。
 今回はDJサンガ(姿は見えず)の協力を得て、「とらの巻」なしにラップを口演していた。
 太遊さんの本気度合いがわかる高座で、再演再再演、今後の進化が愉しみだ。

 最後はトークで盛り上げる…。
 などと、単なる予定調和で終わらないのも「第0回つくるクラブ」。
 笑利さんが、太遊さんの「らぷご」にジャブをかましていた。
 これはますます目が離せない。
 大阪の方はもちろん、京都の方も、兵庫の方も、奈良の方も、滋賀の方も、和歌山の方も、いやさ、世界中の皆さんも「第0回つくるクラブ」にぜひ!
 ああ、面白かった!!
[PR]
by figarok492na | 2016-02-28 03:38 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第19回

☆ネオ落語・セントラル 第19回

 出演:月亭太遊さん、桂三実さん、十手リンジン
 大喜利ゲスト:合田団地君、無農薬亭農薬君
(2016年2月22日20時開演/錦湯)


 一歩前進二歩後退じゃないけれど、少し暖かくなったかと思ったらまた気温が下がるというような寒暖の行き来が激しい京この頃で、今夜も結構冷え込んだが、錦湯さんで開催されるネオ落語・セントラルは大入り大盛況で暖気熱気にあふれていた。
 しかも、これまでの常連さんに新たな常連さん、リピーターさん、ご新規さんと幅広いお客さんが顔を揃えたのも重畳である。
 19回目となる今回は、おなじみ桂三河さんが体調不良のため急遽出演を辞退するという残念なアクシデントもあったが、太遊さん、三実さん、十手リンジンのお二人、さらには大喜利ゲストの合田君、無農薬亭農薬君の六人が大活躍し、三河さんの大きな穴を埋め尽くした。

 まずは、太遊さん、三実さん、十手リンジンの四人のトークから。
 話題は例の…、桂恩狸さんと三実さんの新作落語会「ふたりでできるもん」のこと。
 ばかりじゃなくて、もちろん世情を賑わす様々な話題についても触れて盛り上げる。

 で、三実さんが演じたのは、その「ふたりでできるもん」でネタオロシされた『アイドルは総理大臣』。
 伏線となるマクラから、本題へ。
 すでに「ふたりでできるもん」の感想でも記したように、前半は総理大臣をおっかけるいっちゃったOLの話題で小刻みに笑いを積み上げる。
 そして後半、三実さんは話を大幅に改めて、笑いの仕掛けをしっかり増すとともに、多くのお客さんが受け入れやすい内容へと変更もしていた。
 正直、初演時のあの驚きも嫌いじゃないのだけれど、高座で繰り返すネタとしてはこの改作も十分十二分に納得がいく。
 三実さんの新作が、今後も愉しみ。

 続いては、十手リンジンの漫才。
 お客さん側から見て左側の十田さんと右側の西手さんのコンビで、すでに錦湯さんにも何度か出演している。
 奈良すみます芸人として、奈良を紹介する十田さんの繰り出すボケに対して西手さんがエネルギッシュにパワフルに突っ込むというスタイルは以前も接したことがあるが、今回は十田さんの表情や動きが活きる新たなネタとなっていて、大いにわいた。
 落語家さんもそうだけど、十手リンジンやセンサールマン、東京に移った太陽の小町と、面白い漫才コンビに出会えることも錦湯さんでのネオラクゴ、ネオ落語企画の大きな愉しみの一つだ。

 トリは、太遊さんのネオラクゴ、並びに「らぷご」(ラップ落語)の新作『かつてのディーヴァ』。
 かつてレゲエの歌姫とならした女性の復活ライヴに現われたアマリリクだったが、彼がフリースタイルのラップを競う相手となったのは、なんと歌姫の保育園児の息子で…。
 今回はレゲエ・スタイルにのせた「らぷご」で、保育園児にこんなことをラプらせるんかいというような内容が面白い。
 当然そこに、ラップらしくネオラクゴらしい言葉もたっぷり織り込んであるのだけれど。
 「らぷご」、さらに多くの方に体験して欲しい。

 最後は、ここのところのネオ落語・セントラルで定番となっている大喜利である。
 お題の考案はお手伝いに来られている作家の桜井さんで、今夜も「アルバイト情報誌に掲載された海賊団の募集内容とは」や「食べログで評価1.0のお店の評価の原因は」、「なんでも直してしまう薬の副作用とは」といったお題が用意されていた。
 で、そのお題に対し、太遊さんのテンポがよくて、ここぞというところできっちり拡げ留め、すくい刺し放り投げる仕切りの下、演劇界の合田君や無農薬亭農薬君がフリースタイルの大喜利は俺らのものと解答を繰り出せば、負けるものかと十田さんも逸脱辞さじで怒涛の長距離安打を重ねる。
 その合間にすかさず三実さんがおかしな解答を挟み込む。
 そして、西手さんの焼ソバババア。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 皆さんも、このめくるめくワンダーランドに一度ぜひ!!
[PR]
by figarok492na | 2016-02-23 02:21 | 落語・ネオ落語記録

ネオ落語・セントラル 第18回

☆ネオ落語・セントラル 第18回

 出演:桂三幸さん、桂あおばさん、月亭太遊さん
 大喜利ゲスト:無農薬亭農薬君
(2016年2月15日20時開演/錦湯)


 ここ数日の温気が嘘のような寒さだったが、18回目となる今夜のネオ落語・セントラルは、常連さんにご新規さんと大盛況。
 特に女性のお客さんが多かった分、いつも以上に華やいだ感じがしていた。

 冒頭、あおばさんと太遊さんが近況トークで盛り上げているときに、グッドタイミングで三幸さんが登場(諸般の事情で延着)、さらに盛り上がる。

 で、まずはあおばさんが古典の『強情灸』を演じる。
 見栄を切った男が馬鹿みたく灸を据えて苦しむあたりは、粘らずすきっとした仕上げ。
 テンポのよい男同志の掛け合いが印象に残った。
 ちなみに、今夜もあおばさんは袴姿だった。

 続く、三幸さんはおなじみの新作『遺産相続』をかける。
 兄弟二人に亡き父が遺した遺言書は、相当風変わりなもので…。
 先週は弟弟子の三四郎さんの風が吹き荒れたけれど、さすがは三幸さんの「ホーム」、マクラからして盤石の笑いが起きていたし、本題に加わった新しいくすぐりにもしっかり反応が起こっていた。
 最後に、ネオはめ物を使った来年のR-1をにらんだネタを披露。
 これまた、おかし。

 トリは、太遊さんのネオラクゴ・ラップ落語(らぷご)のネタオロシは、『ひふみ園の死闘~いればいいのに~』。
 ひきこもりをやめて家を出たアマリリクは、老人介護施設を訪ねてラップを歌わせてもらうことになるが、そこには思わぬ強敵がいて…。
 先週からスタートした「らぷご」シリーズだが、太遊さんのラップへの熱の入りようがよくわかる作品。
 韻を踏むのは当たり前、それがメッセージ性を持っているのも本来のラップに沿ったものだろう。
 もちろん、そのラップが笑いにしっかり繋がっているから「らぷご」であり、太遊さんお言語感覚に感心しつつ大いに笑った。
 「らぷご」、ますます愉しみだ。

 最後は、久方ぶりの無農薬亭農薬君を加えた大喜利。
 太遊さんの仕切りで、「メルヘンチックな泥棒が残したもの」であるとか、「お昼過ぎにわかる嘘」といった作家の桜井さん(今夜はお休み)考案のお題に三人が名答珍答を繰り出していた。
 無農薬亭農薬君の不気味さすら感じる一筋縄ではいかない解答や、三幸さんのかろみのある解答も面白かったが、太遊さんとのやり取りも含めてあおばさんが健闘奮闘していた。

 と、今夜も盛りだくさんのネオ落語・セントラルでした。
 ああ、面白かった!

 そして終了後はいつものように交流会が催されたが、バレンタインデーの翌日ということで常連さんよりチョコレートなどをたんまりいただいた。
 多謝多謝多謝。

 かくの如く、嬉しいことも盛りだくさんのネオ落語・セントラルに皆さんもぜひ!!!
[PR]
by figarok492na | 2016-02-16 02:38 | 落語・ネオ落語記録