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ペーテル・ヤブロンスキーが弾いたショパンのワルツ集

☆ショパン:ワルツ集(19曲)&ポロネーズ第6番「英雄」

 ピアノ:ペーテル・ヤブロンスキー
(1995年4月/デジタル・セッション録音)
<DECCA>448 645-2


 そんなに嫌いってわけでもないのに、気がつけば手元にショパンのCDがない。
 あるのは、ネルソン・フレイレが弾いた練習曲集(別れの曲とか革命が入ってるほう)&ピアノ・ソナタ第2番「葬送行進曲」<DECCA>きりで、ピアノ協奏曲もない、ピアノ・ソナタ第3番もない、スケルツォもない、バラード、マズルカ、ワルツもない、と吉幾三じゃないけれど、こんなCDラックいやだの状態がずっと続いていた。
 一つには、高校時代に愛聴していたサンソン・フランソワの名曲集のLP<東芝EMI>がずっと頭にこびりついていて、どうしても他のピアニストの演奏になじめなかったことも大きいのかもしれないが。
(ところで、フランソワやグレン・グールドでそのピアノ曲に初めて触れるってことは、志ん生でその噺に初めて触れるってことにつながりやしませんかね?)

 で、これではならじ、だって、ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」はあまたあるピアノ曲の中でも大好きな一曲だからと、ブックオフで中古CDが500円で出ているのをよいことに、スウェーデン出身の若手(と、言っても録音当時)ピアニスト、ペーテル・ヤブロンスキーが弾いたワルツ集(全19曲)&ポロネーズ第6番「英雄」を購入することにした。
 って、実はこのCD、ずいぶん前に国内盤をある人からもらったことがあるのだが、きちんと聴く間もあらばこそ、別のある人に譲ってしまったのだ。
(まあ、その事情に関してはあえてここでは省略)
 だから、ほぼ初めての気持ちで聴いてみたのだけれど、大好きな華麗なる大円舞曲など、フランソワのくだけた感じと対照的な、率直、ソリッド、ストレート、スマートな演奏で、正直ちょっと素っ気ないのではと思ってしまったものの、この調子ですとんすとんと曲が進んでいくこともあり、耳もたれせずに最後の英雄ポロネーズまで聴き終えることができたことも確かである。
 時折、あたりがきついなと思わなくもないが、清々しさと若々しさに満ち満ちた演奏であることに間違いはないだろう。

 演奏にぴったりなクリアな録音ともども、へっ、ショパンなんて甘っちょろい音楽がなんだい、なんて思っている方にこそお薦めしたい一枚だ。

 なお、国内盤にはボーナス・トラックとして夜想曲第20番も収められている。
by figarok492na | 2012-02-13 14:38 | CDレビュー
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