☆劇的細胞分裂爆発人間 和田謙二「VOL.1 食い合わせのグルメ」
作・演出:髭だるマン
(2013年3月16日19時開演/人間座スタジオ)
公演リーフレットによると、この劇的細胞分裂爆発人間 和田謙二は、亀岡高校柔道部の先輩後輩である、てんま1/2としゃくなげ謙治郎によって、昨年JR嵯峨野山陰線社内で発足し、さらに髭だるマンを加えて増殖中の演劇ユニットだそうである。
髭だるマンとしゃくなげ謙治郎といえば、昨年の京都学生演劇祭での『未開・踏襲・座敷童子』、特に傑作「ジャージマン」で強い印象を残した龍谷大学の未踏座元メンバー(ちなみに、てんま1/2もそう)だが、今回の「食い合わせのグルメ」も彼らの本領を発揮したオムニバス・コント集となっていた。
長い間合いやルーティンと笑いの骨法を押さえつつ、三人のキャラクターを存分に活かしたコントの数々で、中でも六の「彼女の行方」には大笑いしてしまった。
また、オフビートで小じゃれた雰囲気も僕の好みにはあっていたのだけれど、ピークの置き方や話の切り方、決めの台詞の処理などで、もどかしさもったいなさを感じてしまったことも事実だ。
細部を磨き込むことで、コントのアイデアや三人のキャラクターが一層引き立っていくだろうし、彼らに親しく接したことのない方々にもたっぷりと愉しめるコントに仕上がっていくように思う。
ほかに、鈴木ちひろも出演。
喀血劇場での薫陶や笑の内閣での経験も当然大きいだろうが、わざとらしい変な表情や大仰なアクションをしない、彼女のフラットなキャラクターは、今回のコントの雰囲気にはよく合っていたのではないだろうか。
和田謙二の三人とともに、彼女の今後のさらなる活躍を期待したい。
いずれにしても、和田謙二の次回の公演が待ち遠しい。
そうそう、できればこの公演、さらに多くのお客さんに観に行ってもらいたいなあ。
ご都合よろしい方はぜひ。