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造り手の健闘に拍手 KAIKA劇団 会華*開可『宇宙運送モリカワ』

☆KAIKA劇団 会華*開可『宇宙運送モリカワ』

 作:末山孝如
演出:脇田友
(2013年10月13日19時開演/KAIKA)


 岩戸山のコックピットのうち、KAIKA劇団 会華*開可の『宇宙運送モリカワ』を観た。

 運送業務に従事する宇宙船「モリカワ5号」内で痴情ばなしが持ち上がり…。
 明日も公演があるので、ほんのこれぐらいに留めておこうかな。
 会場はホームグラウンドのKAIKAとはいえ、「劇団衛星のコックピット」のためにしっかりこしらえ尽くされたコックピットを利用して独自の作品を造らなければならないというのだから、ぶっちゃけアウェイ状態の中、なんとか笑いからシリアスへの起伏のついたシアターピース(そこには、末山君の日常生活からにじみ出た労働観や人生観も含まれていると思う)にまとめ上げていた作家演出演者陣に、まずは拍手を贈りたい。
 正直、タイトなスケジュールでの公演ということも耳にしていたこともあって、前半など演者陣の頑張りがずっと気になっていたのだけれど、会場から笑いの反応が大きく起こっていたのは何よりである。
 僕自身は、演者陣の特性人柄とのつき具合からも、後半のほうがよりしっくりと感じることができた。

 演者陣では、小林まゆみを一番に挙げるべきだろう。
 中でも終盤の激しい感情表現が強く印象に残ったが、前半では彼女の達者さ器用さが無駄に遣われているような気がしたことも事実だ。
(その分、台詞を口にしていないときの横顔の美しさにはっとしたりもした)
 小林さん自身の志向嗜好は別にして、彼女はシリアスな役柄のほうがより向いているのではないか。
 唐突だけど、小林さんの『レ・ミゼラブル』のコゼットとか『トスカ』のトスカを一度観てみたく思う。
 また、あぶ潤の演技を久しぶりに観ることができたのが、僕にはとても嬉しかった。
 彼の軽味凄みがさらに発揮されればとも思わないではないけれど、それは次回を愉しみにしたい。
 臆面があって心意気充分な高山涼をはじめ、高橋美智子、椎名ゆかり、渡邉裕史らほかの演者陣も健闘していた。
(渡邉君の場合は、前半のほうが彼の「ふら」、良い意味での胡散臭さが活きていたのではないか。終盤では、彼の特性と役柄との齟齬、葛藤がどうしても舞台に表われてしまっていたように思う)
by figarok492na | 2013-10-14 02:04 | 観劇記録
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