☆努力クラブ7『深い緑がねじれる』
脚本・演出:合田団地
(2014年2月23日14時開演の回/アトリエ劇研)
努力クラブ7『深い緑がねじれる』は、彼彼女らにとって大きなターニングポイントになる作品だった。
明日まで公演が続いていることもあり、あえて詳しい内容には触れないが、この『深い緑ねじれる』が、いわゆるアクチュアリティに富んだ作品であることは確かだ。
しかしながらここで大事なことは、そうした現代の諸状況を思い起こさせ考えさせる諸々が、後づけのもの、借り物の主義主張に発したものではなく、合田君自身の内面から表出し表現されたものであるということだろう。
加えて、これまでの努力クラブでの経験(そこには高間響国際芸術祭での作品も含まれる)の応用変容や散文性文学性の強調、グロテスクな笑い等、様々な仕掛けもまた合田君の志向や思考、嗜好、指向と直結したものであったし、それより何より、今の合田君が何を伝えたいか、何を欲しているか、何に重きを置くか(それを登場人物の誰により強く仮託するか)が明瞭に示されていた点で、とても観応えのある舞台となっていた。
ときに作品の構造として、いくぶんバランスを失するように感じられた部分もなくはなかったが、それも直球勝負ゆえのことと思う。
もちろん、お客さんとの間、そして演者陣との間にかけ引きはあるだろうけれど、まずもって自らのあれこれをストレートにぶつけてみせた合田君の攻めの姿勢を高く評価したい。
無農薬亭農薬や佐々木峻一の努力存在感も忘れてはなるまいが、演者陣ではどうしても川北唯の役とのつき具合が強く印象に残る。
川北さんがより深い部分で自分自身の今を咀嚼再現することができれば、言い換えれば、もっと自覚的に自分自身をダシに使えるようになれば、合田君との共同作業は一層実り多いものになるのではないだろうか。
ほかに、努力クラブの九鬼そねみ、レギュラー陣のキタノ万里、長坂ひかる、ベテラン勢の藤田かもめや七井悠(あああーああの笑みでーあの声でー)、大石英史、森田深志も、個々の技術の長短や作品とのつき具合はありながらも、合田君の作品世界に沿う努力を重ねていた。
いずれにしても、合田君の身を切る作業は成功した。
あとは、術後のケアをどうするかだと思う。
当然、それは合田君自身にもしっかり求められるものだろうけど、一方で、合田君がさらけ出したもの、さらけ出したかったものと努力クラブの他の面々の向き合い方、腹のくくり方も大きく問われてくるはずだ。
そうした点も含めて、次回の本公演も心から愉しみにしたい。
ああ、面白かった!