人気ブログランキング | 話題のタグを見る
<< コンビニだってあなどれない! 一人で晩酌してみたが… >>

一日一枚 8:ビゼーの交響曲

 ☆ビゼー:交響曲ハ長調他
  シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団
  <Decca>452 102−2

 ビゼーといえば、『カルメン』と『アルルの女』ばかりが有名だけれど、このCDのメイン・ディッシュにあたる交響曲ハ長調も、とても魅力的な作品だと、僕は思う。
 飛び跳ねるような第1楽章に始まって、抒情的な第2楽章、おおらかでユーモラスな第3楽章と続き、ドラマティックな第4楽章で全曲をしめるというこの交響曲は、ビゼーにとっては若書きの作品でありながら、彼のエッセンスがたっぷりと詰まった音楽となっているからだ。
 シャルル・デュトワとモントリオール交響楽団は、やや軽快さには欠けるものの、技術的にもしっかりとして、安定感のある演奏を繰り広げている。
(特に、情感をこめてしっとりと歌われた第2楽章が、強く印象に残る)
 他に、モントリオール交響楽団の管楽器奏者陣の妙技が嬉しい『美しきパースの娘』組曲や、序曲イ長調、序曲『祖国』がカップリングされていて、ビゼーの多様な側面を識ることができる一枚である。

 ところで、これは余談だけれど、NHKの大河ドラマ『山河燃ゆ』(原作は、山崎豊子の『二つの祖国』)のオープニング・テーマを作曲する際に、林光さんは、ビゼーの『祖国』も下敷きにしたのではないか。
 『祖国』の力強い出だしと、『山河燃ゆ』のオープニング・テーマの冒頭と、どこか重なり合うものを感じたものだから。
(『山河燃ゆ』のオープニング・テーマは、スメタナ、それも『モルダウ』あたりが下敷きにされているのは、まず間違いないところだろうが)
by figarok492na | 2005-11-24 14:47 | 一日一枚
<< コンビニだってあなどれない! 一人で晩酌してみたが… >>