☆ハイドン:交響曲第22番「哲学者」、第102番、第86番
サイモン・ラトル指揮バーミンガム・シティ交響楽団
<EMI>TOCE−8804/国内盤
ハンガリー出身の作曲家ジョルジ・リゲティが亡くなった。
本来ならば、この一日一枚でも彼の作品をとり上げたいところだが、悲しいことに、今手元にリゲティの作品の入ったCDが一枚もないのである。
(友人知人に貸したまま、ついぞ帰ってこない。いわゆる「借りパク」されたというやつだ…)
と、言うことで、サイモン・ラトルがバーミンガム・シティ交響楽団を指揮して録音した、彼にとっては二枚目のハイドンの交響曲集のCDを聴くことにする。
(何でハイドンかは、読者の皆さんのご想像にお任せしたい。ただ、何の脈絡もなくハイドンの交響曲集にしたのでないことだけは、明言しておくが)
で、第22番「哲学者」、第102番、第86番というこのCDの選曲が、まずもって素晴らしい。
初期、晩年の円熟期(いわゆるザロモン・セット)、円熟期にいたる過渡期(いわゆるパリ・セット)のうち、あまり有名ではないものの、ハイドンの交響曲の特色であるオーケストレーションの妙や抜群のユーモア・センスが発揮された作品が選ばれているからである。
また、ラトルとバーミンガム・シティ交響楽団は、ピリオド奏法を援用したクリアでテンポ感のよい演奏を行いつつ、一方で、作品の持つシンフォニックな魅力も適確に表現し尽くしており、見事と評する他ない。
繰り返して聴けば聴くほど面白さの増す、クラシック音楽好きにはたまらない一枚だ。
大推薦。