☆ハッセ:作品集
バーバラ・ボニー(ソプラノ)
ベルナルダ・フィンク(メゾ・ソプラノ)
ラインハルト・ゲーベル指揮ムジカ・アンティクワ・ケルン
<ARCHIV>453 435−2
本人は結構確信犯的に毒づいてみたり、逆に軽めの冗談を口にしているつもりが、その実全くの的外れで目(も耳も)あてられない、無様そのもの、無惨極まるということがままある。
(例えば、今回のタイトルとか)
そうした「いたあい」手合いの極北に位置するのが、今回のCDで演奏を司っている、ラインハルト・ゲーベルとそのアンサンブル、ムジカ・アンティクワ・ケルンだ。
まさしく、徹頭徹尾確信犯。
アクセントの付け方やフレーズの処理の仕方、その他あらゆる面でゲーベル流の色づけ味つけが為されている。
また、ヨハン・アドルフ・ハッセという、バロック後期から古典派のとば口まで長年にわたって活躍した作曲家の作品自体、聴きどころに満ちているとも思う。
それと、このCDには、器楽アンサンブルのためのシンフォニアなどの他、サルヴェ・レジナやモテットという声楽曲も収められているが、バーバラ・ボニーやベルナルダ・フィンクの独唱も魅力的で、その点も非常に嬉しいところだ。
一粒で何度でも美味しい、愉しい一枚。
多くの方にお薦めしたい。
それにしても、「いたあい」手合いには困るよね。