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一日一枚 279:新世界の黎明

 ☆新世界の黎明(18世紀アメリカのハープシコードのための作品集)
  オリヴィエ・ボーモン(ハープシコード)
  <ERATO>8573−85800−2

 今回は、フランスのハープシコード(チェンバロ)奏者オリヴィエ・ボーモンの演奏による、Ⅰ8世紀アメリカの作曲家によるハープシコードのための作品集を聴く。
 はっきり言って、有名どころの作曲家は一人としていないが、前世紀イギリス風のヴォランタリーがあるかと思えば、バッハやヘンデル流儀の作品があったり、スカルラッティやハイドン、モーツァルトを想起させるようなソナタがあったりと、個々の「違い」が明瞭にわかって、実に面白い。
 中でも、個人的には、ヤンキー・ドゥードル(アルプス一万尺)を効果的に活用した、ジェイムズ・ヒューイットの2曲、『ヤンキー・ドゥードルによる9つの変奏曲』と、アメリカ独立戦争最大の激戦「トレントンの戦い」を描写した、その名もずばり『トレントンの戦い』が強く印象に残った。
 ボーモンは、作品の「違い」を尊重した丁寧な演奏で、非常に聴き心地がよい。
(あと、『トレントンの戦い』におけるマシュー・コウルズのナレーションもあざとさがなく、好感が持てる)
 中古で、税込み1200円程度までなら絶対お薦めの一枚だ。
by figarok492na | 2006-09-16 23:28 | 一日一枚
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