☆ブルックナー:交響曲第9番
エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団
<TELDEC>8.433302
エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏による、ブルックナーの交響曲シリーズの最終回。
今回は、未完の交響曲第9番を聴く。
ブルックナーの交響曲第9番は、ベートーヴェンの「第9」を強く意識したと思しき作品であり、雄大で神秘的という表題がぴったりの第1楽章、凶暴でありながらどこか滑稽な第2楽章、静寂な雰囲気に満ちた第3楽章と、実に濃密な音楽的空間が造り出されている。
インバルとフランクフルト放送交響楽団は、他の番号の交響曲と同様、クリアでシャープ、かつドラマティックな演奏を行っているが、作品の持つ宗教的な清澄さにはいくぶん不足するような感じがしないでもない。
とはいえ、税込み1000円程度までなら、ご一聴をお薦めしたい一枚でもある。