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日本洋楽の夜明け(CDレビュー)

 ☆山田耕筰:交響曲「かちどきと平和」他
  湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団、ニュージーランド交響楽団
  2000年〜2002年録音
  <NAXOS>8.555350J

 先日購入した、湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団、及びニュージーランド交響楽団の演奏による、山田耕筰の管弦楽作品集のCDを聴く。

 おなじみナクソス・レーベルの日本作曲家選輯中の一枚で、山田耕筰が1912年と1913年に作曲した、序曲ニ長調、交響曲「かちどきと平和」、交響詩『暗い扉』と『曼陀羅の華』の4曲が収められているが、初期ロマン派に始まって、一息に後期ロマン派にいたるという作風の変化は、まさしく「日本洋楽の夜明け」とでも評したくなるようなドラスティックなものである。
 まあ、だからこそ、この国の「近代化」そのものの問題についても考えざるをえなかったのだけれど。

 湯浅卓雄とアルスター管弦楽団、ニュージーランド交響楽団(序曲のみ)は、基本的に不満のない出来。
 少なくとも、4つの作品を識るという意味では、過不足のない演奏だと思う。
 また、いつものことながら片山杜秀による解説も、優れたものだ。

 ナクソス・レーベルということで価格的にも手頃だし、機会があればご一聴をお薦めしたい。
by figarok492na | 2007-07-09 12:45 | クラシック音楽
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