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若さあふれるシューマンとブラームス(CDレビュー)

 ☆シューマン、ブラームス:ピアノ5重奏曲
  レイフ・オーヴェ・アンスネス(ピアノ)
  アルテミス・カルテット
  2006年
  <Virgin>VC3951432

 ノルウェー出身のピアニスト、レイフ・オーヴェ・アンスネスと、ドイツの新鋭弦楽4重奏団、アルテミス・カルテットによる、シューマンとブラームスのピアノ5重奏曲のCDを聴く。

 一聴、若々しくって躍動感があって、とても胸踊る演奏だと感じる。

 第1楽章冒頭の華やかや元気さが印象的なシューマンはもちろんのこと、あのどうにも陰々滅々としたブラームスでさえ、何度聴いても「いいーっ」となることがない。
(もちろん、その「いいーっ」となってしまうところが、ブラームスの室内楽の魅力の一つであることは百も承知しているが)

 と言って、力任せ腕任せのごりごりぐいぐいというやり方をアンスネスとアルテミス・カルテットがとっている訳ではなく、テンポ設定の他、いわゆるフレーズの処理等々、彼彼女らの歯切れのよい音楽づくりがそう感じさせるのだと思う。

 また、両曲の第2楽章においても、抑制がきいていることによって、かえって各々の作品の持つ抒情性が巧く表されているのではないだろうか。

 特にブラームスの場合、もっとどっしりとしたりゆったりとした演奏を好まれるむきもあるだろうが、今の僕には、このアンスネスとアルテミス・カルテットの若さあふれる演奏がしっくりとくる気がする。
 どちらかと言えば、シューマンやブラームスの室内楽は苦手という方にも強くお薦めしたい一枚だ。
 録音も非常にクリアである。
by figarok492na | 2007-10-24 15:32 | クラシック音楽
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