☆ニーノ・ロータ:交響曲第1番、第2番、第3番
大友直人指揮日本フィル
1997年録音
<キング>KICC241/国内盤
先日購入した、大友直人指揮日本フィルの演奏による、ニーノ・ロータの交響曲集(番号つきの3曲)のCDを聴く。
なお、この録音は、ブックレットに詳細な解説を記している、片山杜秀ら「有志」の尽力によって実現したものである。
で、ニーノ・ロータっちゃ映画音楽の雄。
『山猫』、『太陽がいっぱい』、『ゴッドファーザー』、そしてフェデリコ・フェリーニの一連の作品と、名作映画の影、どころか正面にもニーノ・ロータの音楽は大きな刻印を残している。
そんなニーノ・ロータには、少なからぬ純クラシック音楽の作品があって、その中でも交響曲は…。
って、片山さんの受け売りはこのぐらいにしとこ。
(言わずもがなだけど、このCDの解説は、例のナクソスの一連のシリーズの解説の「ひな形」にあたると思う)
前から欲しいなと思っていたCDで、もちろんニーノ・ロータの交響曲なんて聴いたこたなかったんだけど、やっぱり購入して大正解だった。
「新古典派」などと腑分けするのもおかしいくらいの、全くもって耳なじみのよい音楽。
ちょっとべたやなあとは思いつつも、映画音楽でならしたメロディの美しさはさすがだし、例えば第2番の第4楽章のように、聴いてて「うきうき」してくるようなのりのよさもたまらない。
おお、フェリーニ!
確かに「現代音楽本流」好きのむきからすりゃあ、言いたいことはいっぱいあるだろうけどさ。
(「ちょと俗っぽいぜ、おっさん」と口にしたくなる「場面」もあるにはあるから…)
少なくとも僕は、3曲の交響曲を十二分に愉しめた。
オーボエの広田智之をはじめ、日本フィルの演奏は聴き応えがあるし、片山さんは別所(『レコード芸術』2002年12月号
の特集「交響曲のすべて」。実はこの号に、僕の投書した文章が掲載されている…)で交響曲第3番第3楽章の解釈について「釘を刺している」が、大友直人さんの音楽づくりだって言うほど悪くないんじゃないかな。
個人的には大いに推薦の一枚だ。
ところで、ナクソス的なレーベルって日本で立ち上げることは無理なんだろうな、きっと。
日本のオーケストラを使ったあまり知られていない作品の録音を「安価」でリリースしていっても、採算とれないか…。