☆新日本フィルハーモニー交響楽団 TOUR2008
指揮:クリスティアン・アルミンク 独奏:豊嶋 泰嗣(ヴァイオリン) 座席:1階 E列6番 大阪のザ・シンフォニーホールまで、新日本フィルの大阪公演を聴きに行って来た。 朝日新聞の夕刊で見つけた、招待チケットをゲットしたためで、ちょうど梅田に出かける予定だった古いアルバイト仲間も同行することになる。 で、招待状とチケットを交換するため、開場の45分前ぐらいから窓口のところに並んでいたのだが、マネージメント側のしきりがどうにも悪く(だいぶん経ってから窓口前の列の並び方を変更させたものの、それが実は間違っていたとか)、いくら招待状をもらった側とはいえ、ひどいなと思う。 ただ、くどくどくどくど文句を言っていたおじさんに、表方の豆タンクのような男性が「(列に)並んでおけばいいんです、並んでおけば」といった調子で感情をあらわにしていたのは、嫌味じゃなくて、愉快だったけれど。 (終演後、それとなく確認したらこの男性、なんと、このコンサートのマネージメント会社、コジマ・コンサートマネージメントの代表、コジマ氏その人だった。ははは、だから「キレる」ことができたんだ*) それにしても、中瀬行くところ、こういうことがよくあるな。 さてと、コンサートコンサート。 1曲目は、ワーグナーの歌劇『さまよえるオランダ人』序曲。 冒頭、管楽器の音に「ありゃりゃ」と感じたが、中盤あたりから、新日本フィルの音楽監督でもある、指揮者アルミンクの劇場感覚が巧く効いてきて、結果、ドラマティックな演奏に仕上がっていたと思う。 続いては、新日フィルのゲスト・ソロ・コンサートマスターであり、室内楽活動にも活発な豊嶋泰嗣が独奏をつとめた、ブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。 第2楽章と第3楽章で、はっきりとわかる「事故」は発生したけれど、基本的に豊嶋さんは丁寧で美しい音楽を奏でていた。 アルミンクと新日フィルも、ソロによく添った伴奏だった。 (終演後、豊嶋さんがコンマスに「しまった!」というような顔をしていたもんなあ…) 休憩を挟んで、メインはブラームスの交響曲第1番。 速いテンポの、エネルギッシュでスポーティーなブラームスで、作品の持つ劇的な性格がよくとらえられていたのではないか。 ここでも、管楽器陣には弱さを感じる一方、第4楽章のおなじみの旋律をはじめ、弦楽器陣の鳴りとまとまりのよさも強く印象に残った。 そして、アンコールはヴォルフガング・リームの『憧れのワルツ』。 これは、実にセンスのよいチョイスではないか? ウインナ・ワルツを皮肉りつつ、そのウインナ・ワルツの持っている死の気配すら感じさせる音楽で、個人的には大いに満足できた。 正直、アルミンク(かっこいい指揮者。見ばのよさではぴかいちだろう)の音楽づくりが若干一本調子気味だったこともあり、心が揺さぶられるということはなかったけれど、聴いて不愉快なコンサートでなかったことも確かだ。 また、アンコールの選曲も含めて、東京のプロ・オーケストラの水準を再認識できたことも収穫だった。 *規模が違うとはいえ、何度も表方をつとけたことのある人間だけに、しきりの悪さももちろん含めて、プロとしてあかんやろと思ったけどね。 いくら、相手がただの客だとしても。 (二人のやりとりを見ていた他のお客さんが、「あの人、新日フィルの人?」と不満の声をあげていたように、オーケストラにとっても、ひいてはこのコンサートをバックアップしているオリックスにとっても、マイナスイメージがつくはずだから、マネージメントを司る会社としてはだめだめだ) でも、個人的には、愉快だったんだなあ。
by figarok492na
| 2008-01-11 01:04
| コンサート記録
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