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ヤマコジ 読みがたりinギャラリー木曜

 狂言や厄プロジェクトと、長年舞台活動を続けてきた高野明子さんが代表取締役を務めるマリア書房3階のギャラリーまで、ヴォイス・パフォーマンス・ユニット・ヤマコジの朗読会、読みがたりinギャラリー木曜「大人にしてあげた小さなお話」を聴きに行って来た。
 なお、ギャラリー木曜は、毎週木曜日をギャラリーとして開放していることからその名が付いているそうで、今回はヤスアカノさんの着物の古布をリメイクした服の展示とのコラボレーション企画となっていた。

 ヤマコジの二人が取り上げたテキストは、岸田今日子の『大人にしてあげた小さなお話』中の、「あしおと」、「茨の冠」、「鏡」、「ミッシェル」の4篇だったが、その前後途中をアマチュア・オーケストラ、京都シンフォニカの団員の池田敬子さんのヴァイオリン演奏が彩るという構成もあって、朗読の持つ「音楽性」というか、声の心地よさ、声の重なり合いの美しさがくっきりと表れた企画となっていたと思う。
 個人的には、岸田今日子その人が物語の隙間から浮き出してくるような「鏡」と、安部公房の影響をどこか感じさせる「ミッシェル」の、後半の2篇が特に面白かった。
 ライヴ特有の傷は確かにあったし、個々の読みのクセもはっきりと聴き取れて、そこらあたりは今後の大きな課題とも思うが、ヤマコジの二人が朗読の骨法、基本をしっかりと押さえていることも、やはり指摘しておくべきことだろう。
 また、池田さんも、速いパッセージで技術的な苦しさを感じさせる部分もあったが、伸びがあって厚めの音色の持ち主で、中でも「歌う」箇所の美しさが印象に残った。

 それにしても、終演後、高野さんとも話をしたが、スペース的にも音響的にも、このマリア書房のギャラリーは朗読会などに相応しい場所だと思う。
 今後も、こうした企画が継続的に開催されることを強く期待したい。
by figarok492na | 2009-04-24 00:15 | 観劇記録
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