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世は宵山の宵なれど(CLACLA日記)

 世は祇園祭宵山の宵。
 だが、あえて外出することはせず、部屋にこもって音楽を聴いたり、佐藤亜紀の『外人術 大蟻食の生活と意見 ~欧州指南編~』<ちくま文庫>を読んだりして過ごす。
 祭の本場は目と鼻の先、10分も歩けば屋台や人の波に巻かれたいだけ巻かれることもできるのだけれど、なんだか出かけるのがうっとうしくて仕方がなかったのだ。
 去年は、ほぼ連日、祇園祭の喧噪の中を歩き回ったものだが。
 まさか四十歳を迎えたからというわけではないだろうな。
(そういえば、四十歳になって介護分保険料が加算されたため、国民健康保険料が増額となってしまった。やんぬるかな…)

 毎夜、午前3時台までだらだらと過ごすくせがついてしまった。
 その分、なんやかやとやるべきことはやっているのだが、やはりあまり感心できる生活習慣とは言えまい。
 なんだか自堕落を地で行っているようで、精神衛生上もよくないと思うし。
 ちょっとずつでも改めていかなければ。

 水村美苗の『本格小説』<新潮社>の下巻を読み終え、全巻を読了した。
 小説の結構や仕掛けの見事さ、エロス・タナトス・クロノスの絶妙なバランス等々、「本格小説」という一見大仰なタイトルも、さもありなんと大いに首肯できる優れた作品だったと思う。
 小説好き、読書好きには、なべてお薦めしたい作品だ。

 他に、『外人術』を読み進めているが、こちらも読み応え充分の一冊である。
 いわゆる「地球の歩き方」的な旅行ガイドを求めるむきにはお薦めしかねるけれど、でも、ヨーロッパ旅行の手引きとしては学ぶべきところ大なのではないか。
 個人的には、非常に面白い。

 『ある晴れた日に』は、原稿用紙11枚分になった。
 正直、相当くずれてきたが(読む人によっては、中瀬宏之らしくなってきたと評するかもしれないけど)、しょせんエチュード。
 書きたいように書くさ…。

 アンブローズ・ビアスの『悪魔の辞典』<岩波文庫版>によると、愛国心とは「無頼漢の最初の拠り所」ということになるそうだが、特に都議選以降の自民党内のごたごたを見聴きするにつけ、確かに全くその通りだなとついつい思わざるをえなくなる。
 日頃、偉そうな言葉を繰り返す連中の見苦しく、あさましいこと。
 こういう連中の口にする言葉を真に受けて、痛い想いをすることほど馬鹿らしいこともあるまい。
 畢竟、馬鹿を支持する人間こそが一番の馬鹿なのだ。

 今日は、リカルド・シャイー指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団他の演奏した、ストラヴィンスキーのバレエ音楽『ペトルーシュカ』&『プルチネッラ』<Decca>、コリン・デイヴィス指揮ザクセン・シュターツカペレ・ドレスデンの演奏した、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」&『エグモント』序曲<PHILIPS>、アンドレ・プレヴィン指揮ロイヤル・フィルの演奏した、エルガーの交響曲第1番<PHILIPS>、ヴァーノン・ハンドリー指揮アルスター管弦楽団の演奏した、スタンフォードの交響曲第5番&アイルランド狂詩曲第4番<CHANDOS>を聴く。
 シャイーのストラヴィンスキーは、何度聴いても録音のよさに目を見張らされる。
 デッカ・レーベルの真骨頂を発揮した一枚と評することができるだろう。
 それと、スタンフォードの音楽は、オリジナリティには欠けるものの、抒情性に富んだ美しい旋律に満ちていて、僕の好みによく合っている。
 それにしても、スタンフォードやパリーの交響曲を、関西のプロオーケストラが定期演奏会で取り上げてくれないものか。
 最近珍しい交響曲(フックスだとかアッテルベリだとか)を積極的にプログラミングしている大阪シンフォニカー交響楽団あたり、そろそろやってくれないかなあ。

 今日の甘いものは、パスコのあんこ好きのつぶあんケーキ。
 近くのグルメシティで、30パーセント引き、税込み75円になっていたものだ。
 つぶあんはもちろんだが、黒糖の風味が強いスポンジケーキも印象に残った。
 まあまあ、美味しうございました。
 ごちそうさま!

 髪が伸びて、うっとうしい。
 ただし、うっとうしいのは後ろと横だけで、前のほうはそれほどでもない。
 まあ、四十を過ぎれば、こういうことにもならあな。
 むべなるかな。

 明日がいい日でありますように!
 それじゃあ、おやすみなさい。
by figarok492na | 2009-07-16 22:07 | CLACLA日記
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