読みたい本は山ほどあるが、経済的な状況を考えれば、そうそう本ばかり買っているわけにもいかない。
特に、高額の専門書となればなおさらそうだ。 で、そういう人間にとって、図書館の存在は実にありがたい。 中でも、ネットで検索した他館の書籍を予約しておいて、自分の身近な図書館で受け取ることができるというシステムは、すこぶるありがたい。 飯沢匡さんの喜劇全集や佐藤亜紀の一連の著書を読み進めることができたのも、ひとえにこのシステムのおかげである。 そして、今日下京図書館で受け取ったのが、『西園寺公と政局』<岩波書店>の第一巻だ。 『西園寺公と政局』は、最後の元老西園寺公望の私設秘書的な役割を務めていた原田熊雄が、昭和3年から15年にいたる時期の諸々の事象を近衛泰子(指揮者近衛秀麿の夫人)に口述した内容を、作家の里見弴(彼の実兄有島生馬の妻信子は、原田熊雄の妹)が校正し直したもので、戦前日本の軍国主義化について研究する上で貴重な資料となっている。 (なお、岩波書店からの刊行に際しては、丸山真男もその作業に深く関わっていたとのこと) 僕自身、いろいろと思うところあって前々から気になっていた本で、これから読み進めていくのが非常に愉しみだ。 『飯沢匡喜劇全集』6<未来社>を読み進め、『お茶と刀』(当然、菊と刀のもじりだろう)を読み終えた。 『お茶と刀』は、千利休と豊臣秀吉らに託して、戦前日本の軍国主義化や戦後日本の経済大国化を鋭く諷刺した作品である。 デヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団の演奏した、ベートーヴェンの交響曲第5番<ARTE NOVA>を聴く。 15時台に外出する。 まず近くの郵便局で用件を片づけたのち、下京図書館へ行って、佐藤亜紀の『ブーイングの作法』<四谷ラウンド>を返却し、上述した如く、予約しておいた『西園寺公と政局』の第一巻を新たに借りる。 その後、京都芸術センターで用件を片づけ、昨日に続いて業務用スーパーのタカギとグルメシティで夕飯用の買い物をすませて帰宅した。 帰宅後、『西園寺公と政局』第一巻を読み始め、里見弴による緒言と、第一篇「満洲某重大事件」を読み終えた。 関東軍による張作霖爆殺事件(満洲某重大事件)より前、大正四年の大隈重信内閣当時、張作霖の暗殺が企てられていたことを、僕は知らなかった。 この事件には、『坂の上の雲』の秋山真之も関係していたとのことだ。 夕飯後、『飯沢匡喜劇全集』6を読み進め、『続・夜の笑い』の第一部「ファイヤガン」を読み終えた。 「ファイヤガン」は徳田秋声の小説を劇化したもので、関東大震災直後の東京が舞台。 学者の知ったかぶりを馬鹿にしつつ、在日朝鮮人の問題などについてもしっかりと触れられている。 (『飯沢匡喜劇全集』6が残り少なくなってきたこともあり、京都市の図書館のインターネットサービスで、『岸田国士全集』<岩波書店>の第一巻を予約しておいた) 『西園寺公と政局』も読み進め、『第二篇 ロンドン条約問題』の第二章「帷幄上奏より特別議会まで」を読み終えた。 第二篇では、いわゆるロンドン海軍条約の批准にからむ、海軍軍令部(加藤寛治部長、末次信正次長ら)、さらには右翼、枢密院、野党政友会らの策謀が詳述されている。 余談だが、太平洋戦争中の末次信正の死に際して清沢洌は、 >かれは日米戦争論者の巨頭である。 (中略)末次だけに対しては、この戦争が、日本にどういう結果をもたらすかという事実を見せてやりたかった。 国民の喝采裡に死なすのは、ある意味で惜しい。 新聞を見て僕は「惜しい」と自語した< と、その日記に記している。 (清沢洌『暗黒日記』<岩波文庫>より) 今日は、甘いものは食さず。 その代わり、サンエスのつな揚げあられ・黒こしょう味を食す。 タカギで、税込み63円だったもの。 黒こしょうがぴりぴりぴりぴりときいていて、なかなか美味しうございました。 ごちそうさま! 明日開催予定の京都市交響楽団の定期演奏会は、チケットを買いそびれて完売となってしまいパスせざるをえず。 残念だが、仕方ない。 てか、広上淳一が指揮する定期演奏会だけは、同一公演二回ずつにしてもらえないものか。 明日がいい日でありますように! それじゃあ、おやすみなさい。
by figarok492na
| 2009-11-27 23:20
| CLACLA日記
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